おおみそかとお正月のごちそう、乳幼児に食べさせるのは、ちょっと待って! とくに気をつけたい2つの食材【管理栄養士】
年越しに食べることの多いそば。おおみそかに“初めて”食べさせるのは避けて
おおみそかに年越しそばを食べるという家庭も多いでしょう。 年越しそばの風習は、江戸時代から始まったといわれています。由来は諸説ありますが、そばが細く長く伸びることから、「健康長寿(けんこうちょうじゅ)」「家運長命(かうんちょうめい)」などの縁起をかつぎ、さらに1年の厄を落とすためにおおみそかに食べるようになったという説が一般的です。 そばは重篤な食物アレルギーの症状が出やすい食材の一つ。そのため、今までそばを食べたことのない子に、おおみそかのタイミングで初めてそばを食べさせるのは絶対に避けて。 万が一アレルギー症状が出たときに、病院が休みのことが多いおおみそかでは、スムーズに受診できないことがあるからです。 そばは、離乳後期ごろ、その時期のほかの食材に慣れてからなら食べさせてもOK。今までにそばを食べたことがあり、食物アレルギーの症状が出ていなければ、離乳後期ごろから、おおみそかに家族で一緒にそばを食べてもいいでしょう。 つゆは赤ちゃん用に別に作るか、取り分けができるなら湯や水で薄め、月齢・年齢に合わせた味つけに。具は食べ慣れたものを、食べやすい大きさに切ってからに食べさせるといいでしょう。 そばだけでなく、初めての食材を与えるのは、かかりつけの小児科の受診時間にごく少量からが基本です。
親ぞくで集まる機会の多い年末年始。大人同士でしっかり情報共有を
年末年始は親ぞくで集まる機会も多いでしょう。 帰省するときなどは、ママ・パパから周囲の大人に、赤ちゃんの離乳食の進み具合などを説明し、食べられないものや注意したい食材をしっかり伝えましょう。 とくに食物アレルギーがある場合は、しっかりと説明を。親ぞくが「せっかくお正月だから」「少量なら大丈夫でしょ」と安易に食べさせてしまうことのないよう、情報の共有が大切です。 乳幼児に注意が必要な食べ物は、「食べさせない」ということだけでなく、「赤ちゃん・子どもの手が届くところに放置しない」という行動も必要です。 年末年始は、大人が飲酒する機会も多いもの。赤ちゃんが誤ってアルコールを口にすることがないよう、手が届くところに飲み残しを放置しないよう気をつけて。熱い食べ物に、赤ちゃんが手を伸ばしてやけどする事故にも気をつけましょう。 取材・文/たまひよONLINE編集部 「日本の年末年始の行事には、その時季ならではのいろいろなメニューがあり、食育の大切な機会でもあります。ただ、乳幼児にはまだ食べにくいものが多く、行事食をそのまま味わうことには危険が伴います」と太田先生。 行事食は、もう少し大きくなってからのお楽しみと考え、年末年始でも普段と変わらない食事や生活リズムを心がけましょう。 ●記事の内容は2024年12月の情報であり、現在と異なる場合があります。 監修者 太田百合子 先生 PROFILE:管理栄養士東京・こどもの城で長きにわたり乳幼児の栄養指導を行う。現在は東洋大学などの非常勤講師、指導者や保護者向け講習会講師、NHK子育て番組出演や育児雑誌などの監修を務めている。「ひよこクラブ」本誌の離乳食特集の監修も多い。日本食育学会代議員、東京都小児保健協会理事。モットーは「わかりやすい栄養相談」、研究テーマは小児肥満、離乳食、幼児食。太田百合子先生の監修記事・書籍
たまひよ ONLINE編集部