もてなしの“サプライズ”と皇后さまの笑顔にあふれた両陛下のインドネシアご訪問【皇室 a Moment】
■高校生や大学生 若い世代と意識して交流
インドネシアは日本との関係が非常に深い国です。4万人の技能実習生、6300人ほどの留学生など、在日のインドネシア人は約8万3000人に上り、看護や介護の分野でも欠かせない存在になっています。 今回、両陛下は意識して日本に縁のある若い世代と交流されていました。ダルマ・プルサダ大学では日本語を学ぶ学生たち10人と時間をかけてじっくり言葉を交わされ、次のようなやりとりもありました。 大学生)「例えば『水くさい』という言葉、私たち外国人からすると『水が臭い』と感じます。調べましたら、語源は水分が多いと味が薄くなるということから、愛情が薄くなりよそよそしい様、日本語は奥が深いなと感じております」 天皇陛下)「テーマが面白いですね。私たちが当たり前に普段使っている言葉も、よく突き詰めてみると不思議なものですね」 皇后さま)「日本に行かれたことはありますか?」 大学生)「行ったことないです」 天皇陛下)「ぜひ日本に来て下さい」
さらに西ジャワ州の大きな工業団地にある「ミトラ・インダストリ」という職業専門高校では生徒たちの研究の成果を視察されました。こちらの学校訪問は、当初天皇陛下お一人の予定でしたが、皇后さまも急きょ同行され、関係者は大喜びでした。 皇后さまは「こういうプログラミングはどれくらいされているんですか?」「面白いですか?」などと言葉をかけ、生徒たちと触れ合われました。
翌日、改めてこの高校を取材しました。 日系企業が運営し、生徒の大半が工業団地の企業に就職して、1割は技能実習生として来日しているそうです。大家族のインドネシアでは生徒たちは弟や妹の学費を稼ぐためにいい就職をしようと必死で、それが勉強に対するひたむきさになって表れているそうです。 両陛下も「皆さんの目がキラキラ輝いていますね」と夢に向かう生徒たちに感心されていたそうです。創設者の小尾吉弘さんは、「両陛下がまずインドネシアの高校生の実態をまず経験していただいた。そのことが日本の高校生が興味を持ってくれて、海外の同じような高校生と交流をしたいなというふうに思ってくれると、これも一つのきっかけとして、いろいろな国と高校生同士が交流ができる」と話していました。