2億円をすって残り150万円が1時間で23億円に…ギャンブルで「熔けた」井川意高がもっともしびれた瞬間とは
熔ける その後 #2
日本ではパチンコや競馬を気軽に楽しむ人は多いが、大谷翔平選手のお金をギャンブルに注ぎ込んだ元通訳・水原一平の件で、ギャンブル依存症への関心が集まっている。かつて106億8000万円もの大金を熔かした大王製紙前会長・井川意高氏に、なぜギャンブルにのめり込んだのか、そして今はギャンブルとどう付き合っているのかについて聞いた。 【画像】ギャンブルでもっともしびれた一晩とは…
ギャンブルをやってもしびれなくなった
ギャンブルの魅力は、勝って大金を得ることではありません。100万円を慎重に賭けて勝って200万円、500万円、1000万円……と増えていったら、楽しいことは楽しいですが、それが一番の面白さではありません。 2010年頃、シンガポールのリゾートホテル「マリーナ・ベイ・サンズ」で、私はジェットコースターに乗ったときのような激しい浮き沈みを経験しました。持って行った1億円だか2億円をアッという間にほとんどすってしまい、残った150万円を1時間で23億円に増やしたのです。1、2億円をすって150万円になったときは、落ち着いているように見せて、内心は「これを失ったらもう終わりだ」と汗ぐっしょり、次の勝負は命がけです。でも、命がけの勝負だからこそ得られる興奮、脳髄がしびれるような感覚こそ、ギャンブルの醍醐味なんです。 今もカジノで遊ぶことはありますよ。ただ、もう以前ほど熱くなれなくなりました。それは逮捕されて痛い目を見たからではなく、やり過ぎてお金がなくなったからでもなく、2017年6月に刑期が満了した2年後の2019年の夏、シンガポールのセントーサ島の「リゾートワールドセントーサ」で1カ月間、バカラをやり続けたのがきっかけでした。 延泊を繰り返し粘りに粘って1カ月間やり続けたためにお腹いっぱい、もう以前のように勝負にしびれなくなってしまったのです。ちなみに、このときは日本から1000万円を持っていきましたが、4000万円負けて終わりました。 だからといって、もうギャンブルをやりたくなくなった、というわけではありませんよ。去年は、私が主催するオンラインサロンの企画で、会員と一緒に韓国でカジノを楽しんできましたし、この6月にも、ジャンケットの資格を持つ方から提案を受け、私と一緒にカジノを楽しもうという企画で韓国で遊んでくる予定です。 ギャンブルは変わらず好きですから、やれば楽しい。でも、もう以前のように脳髄がしびれるような感覚は得られない。ですから、大金を借金してまでギャンブルに熱中することは、今後はないでしょう。やり過ぎたためにギャンブルの沼から足を洗える、という例もあるということですね。