もてなしの“サプライズ”と皇后さまの笑顔にあふれた両陛下のインドネシアご訪問【皇室 a Moment】
ボゴール植物園はランをたくさん栽培していることで有名で、両陛下がいつか行ってみたいと思われていた場所だったそうです。スピーチの交換もこの場所で行われました。
天皇陛下のスピーチ) 「大統領ご夫妻にはただいまはこのようなあたたかいおもてなしをいただき、またカートで植物園までご案内いただき、ランのところを細かくご案内いただきました。そのご厚意に対して私たち二人から心からお礼を申し上げたいと思います」「テリマカシ(ありがとう)」 スピーチも“サプライズ”でした。当初、スピーチの交換は午さん会で予定されていましたが、大統領の「打ち解けた会にしたい」という意向でなくなり、蓋を開けてみればこの形になりました。陛下はペーパーを持たずに話されていますので、アドリブだったと思います。 日本は先の大戦でインドネシアを占領した歴史があり、正式なお言葉となるとそこを踏まえない訳にはいかなかったでしょう。大統領のスピーチなしでという意向は、“もう過去はいいですよ。未来志向で”というメッセージが感じられ、それでカジュアルな形でのスピーチになったと思いました。
■皇后さまの笑顔がはじけた21年ぶりの外国親善訪問
天皇陛下はジョコ大統領と会見されましたが、皇后さまは、陛下と別れてイリアナ夫人と交流の時を持たれました。宮殿内でインドネシア文化の様々な実演が行われる中、皇后さまは30分あまり説明を受けながら見て回られました。
こちらは画家と交流された場面です。画家に勧められて皇后さまが真っ白なキャンバスに絵筆で黒い線を1本描かれると、その線が髪の毛の一部となって、あっという間にアジアの女性を描いた絵になりました。完成までわずか7、8分しかかかりませんでした。この若い画家はろうあの方で大統領夫人が以前から支援しているそうです。
インドネシアの有名なろうけつ染めの布製品「バティック」の制作過程もご覧になり、皇后さまも自ら下絵を描く体験をされました。さらに下絵に沿って蝋を置いていく工程にもチャレンジされました。この布を染めると、この蝋の部分だけが染まらずに残ります。