もてなしの“サプライズ”と皇后さまの笑顔にあふれた両陛下のインドネシアご訪問【皇室 a Moment】
こうして出来たバティックを皇后さまが羽織られるシーンでは、「着せていただけるのですか?」とうれしそうに語り、インドネシアの人の「いいね!」のサムズアップに、日本のカメラマンも親指を立てて応じ、皇后さまがさらに満面の笑みを見せられました。 ――こうして歯を見せて笑われている様子を久しぶりに拝見したように感じます。 皇后さまの外国親善訪問は21年ぶりでしたので、この笑顔を私達はすっかり忘れていたと思います。 ――今回、カメラがとても近いことにも大変驚きました。 実は、当初の取材設定は各行事の冒頭だけの撮影で、日本の外務省は「あとはインドネシア政府のYouTube中継があるのでそれを見てください」などと言っていました。 しかし蓋を開けてみれば、日本のカメラマンも、インドネシア側について行って、日本のように「冒頭のみ」とか「移動しながらの撮影は不可」などの制限のない“インドネシア・スタイル”での撮影が許されました。
インドネシア政府がなぜYouTubeでのみ中継するのか少し不思議でしたが、現地の通訳の話では、インドネシアではスマホが広く浸透しており、より多くの人に届けるのにYouTubeが効果的で、それが“インドネシア流”とのことでした。 ――ドローンを使ったシーンもあって、今回の中継に力を入れているというのもよくわかります。
■シェア6割 インドネシアで親しまれる調味料「Masako」
――インドネシアでは皇后さまのお名前がとても親しまれていると聞きました。 そうなんです。インドネシアでとても有名な調味料でして、その名は「Masako」(マサコ)です。 ――呼び捨てにするのがちょっとはばかられますね。 日本の「味の素」が1989年から販売していまして、現地のシェアは6割とのことですので、「Masako」はインドネシアで誰もが知っている商品の名前です。 マーケットの中のどのお店にも「Masako」が目立つ場所に下げられていて、食卓に欠かせないことがうかがえました。スープや炒め物、料理の下味などに使われるそうで、チキン味とビーフ味があります。インドネシア語で「masak」は“調理する”という意味で、日本の企業なので日本人的な名前にと「Masako」という名にしたそうです。 この「Masako」が人気となりまして、その後、照り焼きソースなどの調味料「SAORI」、マヨネーズの「Mayumi」も売り出されています。