あの美術館も舞台に?全編ヴェネチアロケの映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』が5月に全国公開。荒木飛呂彦原作、高橋一生主演の人気シリーズ
『ジョジョの奇妙な冒険』から生まれた傑作スピンオフの映画化
荒木飛呂彦の人気コミック『岸辺露伴は動かない』シリーズの新たな映画化作品『岸辺露伴は動かない 懺悔室』が、5月23日から全国公開される。『岸辺露伴は動かない』は『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズに登場するマンガ家の岸辺露伴を主役に据えた連作読み切りで、「懺悔室」は同シリーズの記念すべき最初の作品。監督は渡辺一貴、脚本は小林靖子、主演は高橋一生。 今回の映画化にあたって、邦画初となる全編イタリア・ヴェネチアロケを敢行したという。サン・マルコ広場を始め、サン・ロッコ教会、ぺスカリア市場、バルバリーゴ・ミノット宮殿、パロッツォ・ダ・モストや、原作にも登場するサンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ広場など、ヴェネチアを代表する名所で撮影された。そのうちのひとつプンタ・デラ・ドガーナは、安藤忠雄設計による人気の美術館だ。もとは税関関連の施設だったものを2009年にフランスの実業家フランソワ・ピノーのコレクションを展示・保管する美術館として生まれ変わった。 またサン・ロッコ教会は内部の壁と天井がヴェネチア派の巨匠ティントレットの巨大な絵画で埋め尽くされていることでも有名。映画の撮影に許可が下りるのが異例となる歴史的建造物や芸術作品が、作品の至るところに映り込んでいるという。 『岸辺露伴は動かない』は相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を備えた人気マンガ家・岸辺露伴の姿を中心に描くシリーズ。これまで露伴役に高橋一生を迎えたドラマが、2020年、21年、22年、24年と放送されており、23年に公開された映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は観客動員数90万人超、興行収入約12億5000万円を記録した。 今回映画化される「懺悔室」では、岸辺露伴がマンガの取材でイタリア・ヴェネチアを訪れ、教会にある懺悔室に足を踏み入れる。懺悔室とは、自分の犯したあやまちを神父に告白し、魂を浄化する場所。その叡知に興味を抱いた露伴は、自ら告白を体験してみようと懺悔室に入ってみるが、そこは本来神父がいるべき場所だった。その後、懺悔室に入ってきたひとりの男が、25年前の恐ろしい出来事を告白しはじめ……。「体験はリアリティを作品に生む」という信念と好奇心に駆られた露伴は、そのまま神父になりすまし、男の告白に耳を傾ける。 水の都、そしてアートの都でもあるヴェネチアでどのような物語が繰り広げられるのか、期待したい。 高橋一生(岸辺露伴役)コメント 20年に岸辺露伴を演じさせていただいてから、これまでテレビドラマシリーズは4シーズン、前回の映画も入れて全10話、5年目になります。以前にもコメントさせていただきましたが、これだけ長い時間を一つの役と生きられることは、俳優として貴重な体験ですし、幸運に感じています。加えて、今回は原作に於ける「岸辺露伴は動かない」の原点である「懺悔室」を、幸運なことに原作通り、全編イタリアのヴェネツィアで撮影しました。定めていない原作世界の時系列が、生身の人間の僕が演じさせていただく岸辺露伴の世界では、一つに繋がっていきます。 ここにきて、ようやく原作の原点に手が届きました。この幸運も生身の人間だからこそ感じられることでしょうか、これまでご一緒してきたスタッフに加え、イタリアの陽気で真摯な素晴らしいスタッフが加わり、また新たな岸辺露伴の世界を作れたのではないかと思います。前回、パリのルーヴルの「後悔」で自身のルーツや過去、受け継がれるものに触れた露伴が次に遭遇するのは、捉える人によっては表裏一体となる現在の「幸運」です。原作ファンの方、これまで僕が演じさせて頂いてきた露伴の世界を愛してくださる方、どちらの方達にとっても、また、今から作品を見てくださる方にとっても、どなたに於いても楽しんで頂ける作品になっています。新たに加わった出演者の方達もご一緒する事が光栄な俳優さんばかりです。是非そちらも楽しみにして頂けると嬉しく思います。僕が露伴としてここまで演じさせて頂いた幸運と、携わって下さった皆さんとの出会いの幸運。その重なりとも云えるものを、劇場に足を運んでくださる皆様にお届け出来ること。今から楽しみにしております。 飯豊まりえ(泉京香役)コメント 「岸辺露伴は動かない」原作の原点でもある、 「懺悔室」の作品をやらさせて頂くことになりました。 今回、撮影で訪れたヴェネツィアは、歴史と芸術が息づく街でした。 いい緊張感、高揚感が漂っている撮影現場で、 特別な時間を過ごさせていただきました。 再び、露伴の世界に参加できたこと、 幸福な時間を噛み締めながら、 大切に演じさせていただきました。 ぜひ映画館で、楽しんで頂ければと思います。 渡辺一貴(監督)コメント 「岸辺露伴は動かない」シリーズ最初の作品「懺悔室」。 この記念すべき大切なエピソードを、オールヴェネツィアロケで撮影できたなんて、クランクアップした今でも信じられない。そこは陰と陽が混在する、不思議な街だった。廃墟、墓地、教会、貴族の館、迷路のような石畳の路地。そしてそこにいつものように凛として立つ露伴先生……。 撮影した全ての場所、全ての時間が愛おしい。いつまでも撮り続けていたい、この時間が終わらないでほしい……。 そんな思いを抱きながら撮影を続けるうちに、「『懺悔室』はこの街でなければ生まれなかったのだ」と確信した。この物語は「呪い」の物語でもあるが、「愛と覚悟」の物語でもあったのだ。退廃的で不道徳な気配に満ちた水都で繰り広げられる、弱くて滑稽で、それでも懸命にもがき続ける人々の奇妙な世界を覗き見て欲しい。 小林靖子(脚本)コメント 原作「懺悔室」は、初めて岸辺露伴をメインにして発表された作品です。ドラマはもう五年目ですが、このファーストエピソードに辿り着くには必要な時間だったと思います。これも皆様の応援あってこそと感謝いたします。舞台はヴェネツィアです。露伴はいつものように、見たいものを見、聞きたいものを聞き、結果幸運という名の災難に襲われます。ぜひスクリーンで見届けていただければ幸いです。
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