妊活への影響はどのくらいある? ストレスと受胎能力の関係性
絶え間ないストレスの影響は、人生のあらゆる側面に現れる。 消化も睡眠も肌も、ストレスのせいでボロボロ。現代人を襲うコルチゾールとアドレナリンの合わせ技は、間違いなく私たちの息を詰まらせる。“私たち”というだけあって、その息苦しさを感じている人は非常に多い。 【写真】いつか妊娠したいなら、避けておくべき4の食品 実際、世界保健機関(WHO)はストレスを“21世紀の流行病”と見なしている。英メンタルヘルス協会の2018年の調査でも、この1年で「もう無理」と思ったことがあると答えた女性は81%に上った。 これが妊活に悪影響を与える可能性はあるのだろうか。ストレスと受胎能力の間につながりがある/ないの議論は昔からあるし、長年の妊活が実らず、仕事をやめて田舎に引っ越したらすぐに妊娠したという話も聞く。 でも、このような話に科学的根拠はあるのだろうか。全部デマということもあるかもしれない。そこで今回は、イギリス版ウィメンズヘルスが専門家に話を聞いてみた。
ストレスと受胎能力:専門家の見解
▼これまでの研究結果 簡潔に言うと、ストレスが受胎能力に影響するという科学的な根拠は弱い。リプロダクティブヘルス教育プログラムFertility Education Initiativeの発起人および女性の健康を専門とするコミュニティGlobal Women Connectedの仕掛け人で、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン生殖科学部のジョイス・ハーパー教授によると、「ストレスと受胎能力の関係について調べた研究の大半は、不妊のカップルを対象としています」 そして「不妊はストレスフルな問題です」。言い換えると、大きなストレスを感じている女性は、そうでない女性よりも妊娠するのに時間がかかる/妊娠しにくいことを示す研究結果はいまのところ存在しない。「ストレスが卵子の質に与える影響を調べた研究もありますが、これといった違いは見つかっていません」とハーパー教授。 確かに女性は、恐ろしい戦争やレイプのような究極にストレスフルな状況でも妊娠する。 でも、これだけでストレスと受胎能力は無関係と言い切れるわけじゃない。