スキンケア時の心地よいタッチで肌が美しくなる:花王が取り組む「心感研究」
ーこの研究は商品にどのように生かされるのでしょうか? 藤森: 今回の心感研究から着想を得て開発されたのが、KANEBO渾身の美容液「フュージョニング ソリューション」です。 まず、幸せを感じやすい人の肌スコアは高いというデータがあるのですが、そもそも生き生きとした表情の方は輝いて見えるし、人を惹きつける力を持っていますよね。そこで「幸せを感じた瞬間の肌印象を覚えていたい。」をコピーにした美容液の開発に着手しました。キメ、ツヤ、明るさ、なめらかさにアプローチする、花王の最先端の成分・技術を盛り込んでいます。
ー花王の知見が集結した美容液ということですか。 藤森: そうです。なかでもセラミド機能成分は、保湿成分のセラミドをナノ粒子化することで肌への浸透を高めた、花王の長年の研究から生まれた独自技術です。 また、乾燥や肌荒れの原因になる悪玉化する皮脂を高選択にトラップし、肌に浸透させない技術「ターゲティング皮脂トラップ」は、花王の最新テクノロジーで、化粧水「スキン ハーモナイザー」にも搭載されています。 この独自の最新テクノロジーの2つを組み合わせることで、均一に広がり擦れに強い塗膜を作り、肌効果の高い美容成分をしっかりとキープできるようにしたのが「フュージョニングテクノロジー」です。
ー先ほどの心感研究のなかで、心地よさのポイントにスキンケア製剤の柔らかさが挙がりましたが、それも考慮されていますか? 藤森: はい。柔らかなテクスチャーに仕上げていて、なめらかで均一な塗膜を形成しています。柔軟性と伸縮性があるので、何度でも触れたくなるような柔らかなテクスチャーを実現しているのも、フュージョニングテクノロジーの特徴になっています。 またハンドプレスによる心地よさも重要ですので、オリジナルのメソッドも提案しています。 ーどのようにすれば心地よさを感じられるのでしょう? 藤森: まず、「フュージョニング ソリューション」はスキンケアの最初に使うことで心地よさの感度が上がり、そのあとのスキンケアをさらに心地よく感じてもらえるように設計しています。 メソッドに関しては、まずは顔を斜め上に向けて、目を閉じながら、ハンドプレスを顔の中心から外側に向けてゆっくり行います。次に目や口の周りなどの細かいパーツに指の腹を使ってなじませ、最後に耳の下から鎖骨に向かってすべらせて、鎖骨の上を軽くプレスします、ポイントは1呼吸あたり、1回押すイメージで、ゆっくりとハンドプレスすることです。 ー意外と簡単なんですね! 藤森: 特別なことはありませんので、日々続けることで、幸福感を高めてもらえればと思っています。 単なる肌悩み解決ではなく、幸せな人のいきいきと輝くような印象を美容液で実現するという新しい発想。心感研究と、肌研究の両輪から研究を進める花王だからこそ、実現した美容液と言えるだろう。 《註》 [1]化粧水などを浸透させるために、手で押さえる手技のこと