「正月が怖い」能登被災者のいまの思い 復旧の遅れに憤りも…“家の再建が復興の始まり” 地震と豪雨の“二重被災”で葛藤続く 小川キャスター現地取材【news23】
能登半島で元日に発生した地震。一見、少しずつ復旧・復興が進んでいるようにも見えますが、現場を取材すると「正月が怖い」と口にする人もいました。地震からまもなく1年。何が変わったのか、そして何が変わっていないのでしょうか。 【画像で見る】小川彩佳キャスター現地取材、能登被災者のいまの思い ■「正月が怖い」被災者の今の思い 家屋の1階部分をのみ込んだ大量の土砂。災害の爪痕は今も深く刻まれたままとなっていました。 石川県珠洲市の大谷町。2024年9月、記録的な豪雨で発生した土石流が町を襲いました。地震と豪雨の“二重被災”。復旧・復興に向け、前に進んでいた最中のことでした。 大谷町では12月にようやく断水が解消されましたが、周辺の地区である清水町では断水が続き、住民はバケツに貯めた雨水でしのいでいました。 大谷地区の住民 「もう水道ないのに慣れてしもうたから。(復旧の)進捗状況がどうなのかちょっとよくわからない。まあ言うてもしゃあないと諦めもある」 大谷町では12月上旬に仮設住宅の入居も始まりました。取材中に出会い、仮設住宅に入居した春田恵伸さん(67)は、避難先の金沢から引っ越し作業を進めているといいます。 2024年元日、震度6強の揺れに見舞われた春田さん。家族は無事でしたが、家は全壊しました。 仮設住宅に入居 春田恵伸さん(67) 「やっぱね、思ったより疲れる。同級生も死んどったり精神的にやられる1年で。結構、精神的ダメージでかいよ」 能登半島地震からまもなく1年。 ーーもうすぐお正月、どんな思いが? 春田恵伸さん 「無いと思うけど怖いわ。正月にあんなことがあると。また無いと思うけど嫌やわ。こっちにいたくない。正月だけはあんまり。あの時はひどかっただけに、トラウマじゃないけどあまり…正月が」 ■「これがこの国の力」普及遅れに憤りも この日、小・中学校に設置された避難所には、12人が身を寄せていました。仮設住宅が完成したことなどから、ここで年を越す人はいないそうです。そのため、年内で避難所は閉鎖する見通しです。