AKB48最後の1期生、峯岸みなみ 山あり谷ありアイドル人生
バック転披露に垣間見えた実直さ
そうしたスキャンダルもあった峯岸だが、その実直さにふれたエピソードにも一つ触れておきたい。峯岸は高橋みなみ、小嶋陽菜とともにAKB48から派生したユニット、ノースリーブスの一員でもあるが、同ユニットが2009年11月にニューシングル「キスの流星」とユニットのデビュー1周年を記念したイベントを都内で開き、その中でバラエティー番組「AKBINGO!」(日本テレビ系)のからみで4000人の観客を前にして新曲披露中にバック転を行うという企画があった。
アイドル本来のダンスや歌とは直接の関係はないバラエティー企画だが、この日に備え真剣に練習を積んだ峯岸はコーチである池谷幸雄のアシストを受けつつ無事成功。安堵の涙を流すと同時に「自分で言い出したことなので本当は1人で飛べれば良かった。今度飛ぶときは1人でやれるようにする」と話した。 その1週間ほど後、某所で峯岸と話す機会があった。バック転成功の記憶が新しかったこともあって筆者は峯岸に「バック転、大成功でした」と声をかけたのだったがその途端、にこやかだった表情が暗く落ちて「ぜんぜん成功じゃなかったんですよ…」と悔しそうな言葉が返ってきた。練習中、万一のケガに配慮し安全のためアシスト付きとなったが、本人は1人で飛べなかったことがよほど悔しかったらしい。物事に真剣に取り組む姿勢がうかがえた一場面だった。昨年には自身のYouTubeチャンネルで「10年前に微妙な結果を残してしまった」と、再びバック転の練習にチャレンジする様子なども公開している。
バラエティー向きの声も 今後の活躍は?
今後、峯岸はどんな活躍を見せてくれるだろうか。 「いい意味で交友関係が広いというか人付き合いがいいようなので、バラエティー番組向きではないかと思います。今はなかなか叶いませんが、大御所または先輩たちとからみながらの旅番組とかのイメージが浮かびます。同じバラエティー番組でも指原莉乃さんのような“MC”位置ではなく演者かな、と思いますね」(民放放送局40代プロデューサー) コラムやフォトエッセイなども読みやすい文章を書くので、これまでの「経験を活かす」だけでなく、経験したいこと「を探す」視点でチャレンジすると出版方面での活躍も面白いかもしれない。今後の峯岸の活躍を見守りたい。 (写真と文:志和浩司)