【心理カウンセラー・中元日芽香(元乃木坂46)】"おひとりさま"と"ぼっち"の違いとは?
中元日芽香さんは乃木坂46の元メンバーであり、現在は心理カウンセラー。この連載では、“推される側”を経験し、“推す側”のメンタルにも寄り添ってきた彼女ならではの視点で、推し活とメンタルヘルスの関係について語ります。今回のテーマは「推し活とソロ活」。ひとり推し活に始まり、グループ活動とソロ活動、おひとりさまとひとりぼっちの違い…中元さんらしい多角的な視点から分析! 写真多数!中元日芽香さん(元乃木坂46)の着こなしをチェック
推し活とソロ活
最近、さまざまなアクティビティをひとりで楽しめる「ソロ活」や「おひとりさま」の世界が広がっているようです。先日は、シティホテルの「ひとり推し活プラン」を知って興味を持ちました。推し活のひとり遠征でも安心だったり、誰に気兼ねすることなく大画面で推しの映像を堪能できたりするのはうれしいですよね。共通の「好き」でつながり、ファン同士が協力し合う推し活もいいけれど、「ひとり推し活」の需要も増えてきているのではないかな、と感じます。 「ひとり推し活」のメリットは、マイペースでできるところです。例えばこんな気持ちに思い当たる人は、「みんなで推し活」に疲れてしまっているのかも…。 熱量が高い人たちの中で無理をしてしまう、あるいは「自分の推し活はこれでいいのかな?」と迷ってしまう。過去にもお話ししてきましたが、推し活でメンタルバランスを崩しやすいのは、人と比べてしまうときです。また、ファン同士でのちょっとした意見の相違など、コミュニティでは衝突も起きがち。人間関係が気まずくなって推し活の現場を避けるようになったり、同じファンからの言葉に傷ついてSNSをやめてしまったり、ということも起こり得ます。推しは好きなままなのに、推し活が嫌いになってしまう人もいるかもしれません。 こういうときは、自分のスタンス、自分のペースの「ひとり推し活」をお勧めします。きっと心の波が穏やかな状態で過ごせるように思います。 ■ひとりとみんな、アイドルグループの一員だったときを思い出すと… 私自身は、今も「ひとり温泉」に出かけたり、おうちで「ソロ飲み」をしたり、ひとりで楽しむことが好きなタイプ。グループを卒業してひとりの中元日芽香になったときは、解放感や自由を感じました。「今までよりも髪をいっぱい切っちゃおうかな」「いつもはしなかったネイルの色を塗ってみようかな」と、自分がしたい表現や生き方に挑戦できる。挑戦してみて違うと判断することも自分の責任なんだ。それがわかったことも収穫でした。 一方で、乃木坂46というグループアイドルの一員だったことを思い返すと「ひとりではできない経験ができた」という気持ちでいっぱいです。例えばダンス。ひとりで手を広げるより、十人でバッと広げた姿がそろうと迫力が違う! フォーメーションのバリエーションも増えるし、歌声に厚みも出てきます。そこにファンの皆さんの声援が乗っかって、ライトに照らされ、ステージの演出がさらに盛り上げる。ひとりで表現できることには限りがあって、グループだからこそより多くの人に伝わる表現があると感じました。それが本当に楽しかった。 アドレナリンをドバっと出してライブを終え、自宅やホテルの部屋に戻ってふっと一息つく時間が特に好きでした。みんなから離れてひとりになり、動から静に変わる瞬間のコントラストが現役時代の私には必要だったのかな。これがあったから、みんなのいる場所に元気に戻って行けたのだと思います。忙しすぎて振り返る間もなく次のライブに行くようなときは、もったいないと思ったものです。