【プレビュー】今季最後の90分。笑うのは、悲願のJ1初昇格を目指す岡山か、4年ぶりのJ1復帰を狙う仙台か| Jリーグ
【国内サッカー プレビュー】7日にJ1昇格プレーオフ決勝が開催される。シティライトスタジアムでは、リーグ戦を5位のファジアーノ岡山と6位で終えたベガルタ仙台が激突。J1昇格のチケットをかけた90分となる。
最高の下剋上を成し遂げ、J1へのチケットを手にするのはどちらのチームになるだろうか。ともに下位の立場ながら、快勝で準決勝を勝ち上がってきたファジアーノ岡山とベガルタ仙台が顔を合わせる。両チームがそれぞれの集大成を披露する舞台は、シティライトスタジアムとなる。 リーグ戦を5位で終えた岡山は、準決勝で4位のモンテディオ山形と対戦した。怒涛の9連勝でリーグ戦を終えたチームのホームに乗り込んでのゲームは難しい展開になると予想されたが、見事にその下馬評を覆してみせた。 ハイプレスで山形に襲いかかり主導権を握っていくと、序盤からチャンスを作り続け、ついに31分に先制。スローインを起点に最後は右WBの本山遥が流し込み先手を奪った。さらにその3分後の34分にはCKから貴重な追加点。木村太哉のシュートを岩渕弘人がゴール前でコースを変え、リードを広げた。 内容、スコアともに完璧に掌握した岡山は後半も自分たちのリズムでゲームを展開。早々に相手に退場が出たこともあり、余裕をもって時計の針を進めていき、84分には決定的な3点目。木村が今度こそは自ら決め、勝負を決めた。 木山隆之監督が就任して3年目を迎える今季は、正真正銘の勝負の年と位置付け戦ってきた。クラブ史上初の悲願達成へ、いよいよあと一つのところまでたどり着いた。6位の仙台が勝ち上がってきたことで、決勝をホームで戦えるアドバンテージもある。この3シーズンで積み上げてきた粘り強さを発揮するにはこれ以上ないシチュエーションが整ったと言っていいだろう。未踏の地、到達へ。木山ファジアーノ3年目のエンディングはJ1昇格というハッピーエンドが相応しい。 勢いという意味では仙台もまったく負けていない。リーグ戦最終節に勝利してプレーオフ圏内ぎりぎりの6位に滑り込み、準決勝は3位のV・ファーレン長崎に挑んだ。長崎優位の声が多く聞かれた中、仙台が一発勝負の醍醐味を味わわせてくれた。 前半にPKを中島元彦が決め、先制点を奪うという最高の形にもち込むと、後半は効率よく3ゴールを重ねる。エロンと郷家友太がネットを揺らし、その後は1点を返されたものの、アディショナルタイムに中島がダメ押しの2点目。気持ちのいい4発大勝で決勝進出を果たした。 今回の決勝もアウェイでのゲームとなるが、準決勝を見ていても勝たないといけないシチュエーションがプレッシャーになっているようには映らない。むしろプラスに作用しているように感じ、アグレッシブさを引き立たせてくれている側面もありそうだ。 森山佳郎監督が率いて1年目ながらつかみ取ったJ1昇格の可能性を最後の最後に手放す訳にはいかない。長崎の地同様に岡山の地にもたくさんのベガルタサポーターは駆け付けるはず。4年ぶりのJ1へ。あのトップカテゴリーの景色を知っているからこそ、森山ベガルタには譲れない思いがある。