生誕100年を迎えた相田みつをさんの原点、故郷の栃木・足利で作品の思いに触れる 味・旅・遊
■包装紙デザイン
足利の銘菓「古印最中」の製造元、香雲堂本店も相田さんゆかりの店。旧制足利中学時代に書や短歌、その後、禅との出合いもあり、独自の世界観を書で表現してきた。書道展で連続入選するなど書家として出発したが、前半生は清貧の時代が続いた。生計を支えていたのが、包装紙や看板のデザイン。同店では相田さんがデザインした包装紙を今も使っている。
同店専務の小泉具行さん(68)は「昭和30年代、包装紙のデザインをさせてほしいと相田さんが店にやってきたそうです。先代の父が対応し意気投合したのか、デザインを一任しました。当時はまだ無名な書家で作品も世に出ていない頃。(相田さんに)何か感じるものがあったと思います」と話した。
店内には菓子の中のしおりに今も使われている作品「ひとつのこと でもなかなか…」が飾られ、当時の相田さんをしのぶことができる。
足利市では生誕100年に合わせて市立美術館を会場に相田さんの作品展(7月13日~9月1日)を企画している。この機会に一度、足利を訪れてほしい。(伊沢利幸)
◇めん割烹なか川 足利市通2の2659(0284・41・2322)。JR両毛線で足利駅下車徒歩6分。東武伊勢崎線で足利市駅下車徒歩8分。北関東自動車道の足利ICから7分。
◇香雲堂本店 足利市通4の2570(0284・21・4964)。JR両毛線で足利駅下車徒歩13分。東武伊勢崎線で足利市駅下車徒歩15分。北関東自動車道の足利ICから10分。