【実録】「激安業者は危険」「最終的に100万円超」清掃現場に蔓延る盗難&ぼったくりのリアル
エアコンなどの部分的なハウスクリーニングからゴミ屋敷、遺品整理などを請け負う清掃業者。
過去、清掃現場で働いたこともあるルポライター・村田らむさんは、安く済ませたいがため、安易に選ぶのは危険だと警鐘を鳴らす。
清掃業者にはびこるぼったくりや罠
僕は2年間ほどゴミ屋敷清掃を専門としている清掃会社「株式会社まごのて」で清掃員として働いたことがある。体験取材だったが、働いた分の給料はもらっていた。そこで働いているときに、よく耳にしたのが「悪徳な業者」の話だった。 そもそも特殊な業界なので、運送会社やコンビニエンスストアのような大手企業がない。多くの人は、「ググって出てくる、小さい業者の中から選んで頼む」という選び方をしているのではないだろうか? 清掃というのは、車や家のようにあとに残るものではない。だから誰しもなるべく安く済ませたいと思う。 だが、とにかくいちばん安いところを選ぶ、その選択には罠が潜んでいる。
清掃業者をネットで見てみると、「安さ」を一番の売りにしているところが多い。「ゴミ積み放題、軽トラ1台1万8000円」などと書いてあると、「うちの部屋のゴミは、軽トラ1~2台で乗りそうだから1万8000円で済みそうだ」などと思うかもしれない。 しかし、そもそも軽トラ1台のゴミを処理場で処分するには1万8000円以上かかる。だから、業者はどうにかしてそれ以上のお金を取らなければならない。いちばん単純なのは、値上げだ。 依頼者の中には、「数万円という約束だったのに、あとから50万円払えと言われました」という学生もいた。お金がないから、と断ろうとすると「現金がないならクレジットカードで払え」と詰められた。強面で暴力的な雰囲気を出されたため断れなかったという。 さらに、「カードの枠が狭いので、10万円までしか払えません」というと、「金融業者を紹介するから、そこで金を借りろ」と詰め寄られた。依頼者は、そこは借りずに踏みとどまったが、もし借りていたら多額の借金を背負うことになっていたかもしれない。