【実録】「激安業者は危険」「最終的に100万円超」清掃現場に蔓延る盗難&ぼったくりのリアル
こうした業者の中には作業を途中でやめて、「これ以上やってほしかったら10万円追加で払って下さい」という、水商売の「たけのこ剥ぎ」のようなぼったくりをされる場合もある。最終的には100万円を超える出費になってしまう場合も少なくない。 学生の部屋の状態を、まごのての社長に聞くと、15万円程度が相場の部屋だったという。「清掃に15万円」と聞くと、反射的に、高い! と思ってしまう人が多いだろう。だが人件費やゴミの処分代を考えると、実際はそれくらいのお金がかかってしまう。物事には適正価格というものがあり、あまりにも安い業者は危険な業者である場合が多いのだ。 清掃を頼む側は、「掃除を他人にさせている罪悪感」「親戚の死体を腐らせてしまった罪悪感」「頼む段階で住所を知られている焦燥感」といった、引け目やプライバシーがあるため、普通の取引よりも立場が不利になりやすい。その状況でゴリゴリと詰め寄られると、つい折れてしまいがちだ。
気付かぬうちに“窃盗”が行われることも
ゴミ屋敷清掃以外でも、「なんでも屋にゴキブリの駆除を頼んだら、スプレーをかけただけなのに(しかもゴキブリは駆除できなかったのに)10万円以上払わされた」、「トイレの詰まり取りを頼んだら、書いてある何倍ものお金を取られた」など、類似のトラブルは多い。 「払え」と詰め寄られる場合もあるが、勝手に持ち去られる場合もある。端的に言ってしまえば、その行為は“泥棒”だ。特に特殊清掃や、遺品整理ではよく聞く。 人が亡くなった現場、特に知人が亡くなった現場は入りづらい。特殊清掃に頼むということは、傷んでいるし、臭いもあるから、特に入りづらい。つまり、業者の清掃員が、死後最初にその部屋に入ることになる。
特殊清掃の部屋は、家主が亡くなるまでは普通に暮らしていた部屋だから、お金や金目のものが普通に置いてあることがよくある。 僕が働いていた、まごのての社長いわく、「こないだの現場でも、机の上にポンと300万円置いてあった。おばあさんの家の押し入れの中から現金数千万円と金塊が出てきたこともあったよ」とのこと。 遺族に渡すと、「え? 本当ですか?」と驚いていたという。 清掃業者に頼んだら、現金や物が無くなった、という訴えはあるが、実はそれ以上に知らない間に盗まれているケースは多い。