奇策?いや才能…超大型DFながらFW起用されアビスパ福岡の執念ドロー演出した20歳の三國ケネディエブスが面白い!
現役時代に「アジアの壁」として日本代表の最終ラインに君臨した、井原正巳監督のもとで三國をさらに鍛え上げてほしいと黒田監督は考えていた。しかし、三國の入団と入れ替わるように井原監督は退団し、師と慕うネルシーニョ監督が率いる柏レイソルのヘッドコーチへ就任した。 しかし、新たにアビスパの指揮を執った、イタリア人のファビオ・ペッキア監督が三國のポテンシャルに魅せられ、ルーキーイヤーだった昨シーズンのJ2開幕戦から先発に大抜擢した。 「ファビオ監督が個人的に僕のことを気に入ってくれたというか、最初のころから試合で使ってもらえた。ただ、監督が代わってから出られなくなったのは、自分の実力的な問題だと思っていたし、去年の悔しい気持ちを前面に押し出していこう、と思って臨んだ今年は練習試合でもかなり調子が上がっていたし、いつセンターバックでチャンスが来てもいいように準備はしていました」 昨年5月下旬からポーランドで開催された、FIFA・U-20ワールドカップを戦っている間に、ペッキア監督は家庭の事情を理由に退団。久藤清一監督が指揮を執った新体制で先発したのは一度だけで、8月以降はベンチにすら入れないまま、11試合、874分間のプレー時間で1年目を終えた。 昨シーズンまで水戸ホーリーホックの指揮を執った、長谷部監督のもとでもなかなか出場機会を得られなかった今シーズン。しかし、現役時代はヴェルディ川崎やヴィッセル神戸、ジェフ市原などでプレーした49歳の指揮官もまた、センターバックとしての三國のハイスペックを認めている。 「学生時代にフォワードでプレーしていた経験もあるので、彼の能力という意味では、高さは誰にも負けませんよね。引き分けることもなく、ほとんど勝ちます。その意味ではそういう(パワープレーでの)起用もありますけど、センターバックの方が多くなると思います」 これまでとは異なる心理状態で、アビスパは愛媛戦へ臨んでいた。体調を崩したチームスタッフ1人がPCR検査を受けた結果、新型コロナウイルス感染症の陽性反応が確認され、トップチームの選手およびスタッフを含めた関係者51人が、27日に急きょPCR検査を受ける事態に発展した。