Suica共創を本格展開 「JRE WALLET」アプリ25年1月開始
JR東日本は、Suicaを同社グループ外の多くのデジタルサービスと連携するサービス展開を目指し、2025年1月から企業共創のプラットフォームサービスを開始する。モバイルSuicaを起点とした新サービスのため、ブロックチェーンを基盤としてシステムを構築し、その入口となるアプリ「JRE WALLET」を展開する。 【この記事に関する別の画像を見る】 ユーザーは、「JRE WALLET」アプリをダウンロードし、アプリにモバイルSuicaの情報を登録することで、共創サービスに対して、同意のもとSuicaの利用状況等の情報が提供される。共創する企業は、提供されたユーザーのSuica利用状況から、ユーザーそれぞれに応じたサービスや体験価値(ライフ・バリュー)を提供するという。 例えば、「特定の期間内にSuicaで山手線全駅を利用することで連携するゲーム内でのリワード(報酬)を獲得できる」といった施策や、「Suicaでよく利用される駅や地域に関するお得な情報を得られる」といったサービスを想定している。 JRE WALLETは、プラットフォームと連携する各種サービス利用のため窓口として展開し、利用者の情報やデジタル資産を管理するためのアプリとなる。アプリは、25年1月10日に公開する。 ■ 各社と共創 第1弾は「みんなのトレインタウン」 連携サービスの第1弾として、JR東日本とジェイアール東日本企画(jekz)が発行元となり、デジタル鉄道ジオラマゲーム「みんなのトレインタウン」をリリース。今回のブロックチェーンと連携し、Suicaを介した行動によりゲーム内でのリワードを獲得したり、ゲーム内で獲得したデジタルアイテムをアプリ内で管理できる。 12月10日から事前キャンペーンを開始し、'25年1月10日に企業共創サービス「JRE WALLET」アプリをリリース。1月下旬頃に「みんなのトレインタウン」iOS版を、2月下旬頃にAndroid版をリリースし、以降に共創企業とのサービスを順次展開予定。 「みんなのトレインタウン」は、基本プレイ無料のゲームで、アプリ内課金あり。ゲーム内イベントや購入によりジオラマアイテムを収集し、集めたアイテムを使いジオラマを制作できる。また、自分のアバターをつくってジオラマをメタバース空間として探検するほか、友だちとつながって、一緒にジオラマ内を探検したり遊べるゲームとなる。 共創の一環として、NAVER ZのバーチャルSNS「ZEPETO」と連携。ZEPETO内で鉄道にフィーチャーしたワールドを2025年2月から展開する。また、カルビーのルビープログラムと連携した「推し路線」や、JR東日本クロスステーション「エキュート」と連携したキャンペーンなどを予定している。 さらに、みずほ銀行とともに地域創生の取組みを進めるほか、日本生命とはSuicaを活用したライフスタイルにあわせた保険商品・サービス等の検討で協力。富士通とは組み込み型金融サービスをともに検討していく。東京海上日動とも新サービスを検討していく。 JR東日本では、共創企業とともに新たな価値を創出するとともに、JR東日本のモビリティや生活ソリューションとも連携し、魅力的なプラットフォームへと成長させていく。 なお、JR東日本では今後10年でSuicaを大きく変革させ、チケットやSF(電子マネー)などのバリューをセンターサーバーで管理するサービスを目指す構想を発表している。
Impress Watch,臼田勤哉