沖縄で相次ぐ米兵女性暴行事件と公表しなかった政府の「根深い問題」
今年の「沖縄全戦没者追悼式」で、岸田首相は「今もなお、沖縄の皆様には、米軍基地の集中等による大きな負担を担っていただいています。政府として、このことを重く受け止め、負担の軽減に全力を尽くしてまいります」と述べましたが、2件の事件を知っていた首相は、どんな思いでこの言葉を語っていたのでしょう。 ただ、私自身、この2件の報道があるまで、正直、95年の事件も、その後も沖縄では米兵による性犯罪が相次いでいることも、考えることはありませんでした。その意味では五十歩百歩。2件を世に知らしめた地元メディアのジャーナリスト精神に敬意を表すると共に、今も「国土の0.6%しかない沖縄県に日本の米軍専用施設の約70%が集中している」現実を忘れてはならないと、あらためて突き付けられた思いです。私が「忘れてはいけないニュース」と言ったのは、そういう意味です。 ■◎潟永秀一郎(がたなが・しゅういちろう) 1961年生まれ。85年に毎日新聞入社。北九州や福岡など福岡県内での記者経験が長く、生活報道部(東京)、長崎支局長などを経てサンデー毎日編集長。取材は事件や災害から、暮らし、芸能など幅広く、テレビ出演多数。毎日新聞の公式キャラクター「なるほドリ」の命名者。
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