早稲田大学、昨季大敗した京都産業大学にリベンジ。『荒ぶる』まであと1勝。ラグビー全国大学選手権 準決勝
『赤黒』ではなく『白』。早稲田大学は白地に臙脂色の襟と背番号が映える白装束。昨季、京都産業大学に敗れた時と同じユニフォームだ。しかし、そのプレーは同じではなかった。自信に満ちた前に出るディフェンスと、次々と反則を奪い取る強烈なスクラムで、あの京産大に苦戦を強いた。
京産大がじわじわとフェーズを重ねながら前進しても、ハードタックルでボールを奪い取るとロングキックで自陣へと追い返す。逆に、攻撃ではテンポの早いパス回しで相手を翻弄し、少ない手数でインゴールに飛び込んだ。今季の早大らしい見事なラグビーで京産大を31-19で撃破し、昨季のリベンジに成功。そして全国大学選手権決勝へと早大は駒を進めた。
試合が始まり、いきなり魅せたのは早大。硬いディフェンスで京産大のノックオンを誘うと、そのマイボールスクラムでアーリーエンゲージの反則を奪った。昨季との違いをまざまざと見せつけ、試合の立ち上がりを制した。
6分に得たスクラムでは京産大のコラプシングを誘発すると、一気に敵陣深くまで侵入。ラインアウトではモールを組まず、HO(フッカー)佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)がボールを持った状態で回り込む。
その内側にスピードをつけて走りこんできたWTB(ウィング)池本晴人(社2=東京・早実)がパスを受け取ってゴール前まで前進すると、守備が整う暇を与えずにSH(スクラムハーフ)細矢聖樹(スポ4=国学院栃木)が、LO(ロック)栗田文介(スポ3=愛知・千種)にボールを繋いでそのままグラウンディング。鮮烈な先制トライを挙げた。
続く13分にもスクラムでペナルティを獲得し、陣地を拡大。FB(フルバック)矢崎由高(スポ2=神奈川・桐蔭学園)のキャリーから得たオーバーザトップの反則をクイックで再開。CTB(センター)福島秀法(スポ3=福岡・修猷館)がインゴールにねじ込み、早くもスコアは12-0に。
スクラムで優位に立ち、試合を組み立てた早大がさらにリードを広げていく。23分には早大らしいハイテンポのアタックで右サイドに数的優位を作るとインゴール右に飛び込んだのはHO佐藤。主将が雄叫びを上げてチームを鼓舞すると、早大はさらに加速する。