早稲田大学、昨季大敗した京都産業大学にリベンジ。『荒ぶる』まであと1勝。ラグビー全国大学選手権 準決勝
30分、京産大が着実にフェーズを重ねてゲインを奪いに来るが、早大はこだわってきたディフェンスでミスを誘い、ターンオーバーに成功した。WTB池本が左サイドでブレイクすると、SH細矢に繋いでさらに前へ。
素早くアタックラインを作ると、右サイドまで大きくボールを展開して受け取ったのは、関東大学対抗戦トライ王のWTB田中健想(社1=神奈川・桐蔭学園)。インゴールを駆け抜け、CTB野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)のキックも成功すると26-0とリードを大きく広げた。
前半の終盤は京産大の圧力あるアタックに苦戦を強いられるものの、最後は佐藤がジャッカルに成功し、ハーフタイムを迎えた。
迎えた後半も先に試合を動かしたのは早大。オフサイドのペナルティから自陣ゴール前まで侵入を許すものの、強固な守備とSO服部亮太(スポ1=佐賀工)のロングキックでエリアを回復。
7分には矢崎の『50-22』で一気にチャンスを迎えた早大は、ラインアウトのアタックでキレのあるサインプレーを披露する。矢崎のカットインでディフェンスラインを引き裂くと、最後は池本がトライ。31-0とさらに京産大を突き放した。
しかし、ここから早大は反則が重なり、思うようなラグビーを展開できない。23分にFW(フォワード)に押し込まれてトライを許すと、続く32分にも失点。「チームの悪い流れを断ち切れなかった」と佐藤が振り返るように、苦しい時間が続く。
38分には2連続の反則からまたもFWにインゴールを叩き割られ、31-19と点差は12に。試合はノータイムを迎えるが、京産大は最後までアタックを継続。意地の攻撃でゴール前まで前進を許すものの、最後は京産大がノックオン。早大が前半に得たリードをキープし、大学選手権準決勝を勝利した。
「早稲田のディフェンスができた」と語ったのは豊富な運動量で守備の要を担ったFL田中勇成(教3=東京・早実)。身体の大きな京産大FWに対し、低く鋭いタックルで簡単に前進を許さず、粘り強い組織ディフェンスで一発でトライを取られることがなかった。