「相手が足を振る瞬間が見えた」東京V綱島悠斗がPK獲得の裏側を明かす。退場した山田楓喜への想いも「彼の悔しさを晴らせるのは僕らしかいない」
山田楓は42分に一発レッドで退場
[J1第22節]東京V 1-1 C大阪/7月6日/味の素スタジアム 東京ヴェルディは7月6日、J1第22節でセレッソ大阪とホームで対戦し、1-1で引き分けた。 【動画】東京Vの山見がPKを決めて先制! 前半、東京Vは前線からのハイプレスと中央を固めるディフェンスでC大阪の攻撃を跳ね返す。一方、攻撃面ではカウンターから山田剛綺、山見大登らが相手ゴールを脅かすシュートを放つなど、理想的とも言える試合運びを見せる。 しかし、42分にアクシデントが起こる。それまで前線でハードワークしていた山田楓喜が、C大阪のカピシャーバへの危険なタックルで一発レッド。前半のうちに数的不利になってしまったのだ。 だが、後半開始早々の49分、東京Vはワンチャンスをモノにする。綱島悠斗が敵陣エリア内でファウルを受けてPKを獲得すると、これを山見が決め、先制に成功した。 それ以降、東京Vは攻勢を強めたC大阪に押し込まれ、防戦一方に。76分にはC大阪のレオ・セアラにネットを揺らされ、同点にされてしまうが、それでも東京Vは守護神マテウスを中心に粘り強いディフェンスでゴールを守り、なんとかドローで終えた。 試合後、東京Vの綱島がPKを獲得したシーンをこう振り返った。 「ルーズボールがペナルティエリアの中だったので、自分のストロングである高さ(188センチ)を活かしてマイボールにしたいって気持ちでした。そうしたら相手が足を振る瞬間が見えたので、先にボールに触れたら何か起きるかもしれないと思って、飛び込みました」 また、退場処分になった山田楓への想いも明かす。 「彼もチームのためにリカバリーパワーを出した。その結果でレッドカードが出てしまったので、自分たち出ているメンバーが彼のためにもやってやろうって想いでした。 彼はハーフタイムにも、一人ひとりに『申し訳なかった』『頼むぞ』って声をかけていて、その悔しさを晴らすことができるのは、試合に出ている僕らしかいないので、あそこでPKを取れたのは、彼の想いでもあったかなと」 高崎航地主審がペナルティスポットを指すと、綱島はガッツポーズをしながら吠えていたが、仲間への想いが表われたワンシーンとも言えるだろう。 取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)