帰還中のはやぶさ2は今 JAXA会見(全文1)第1期のイオンエンジン運転終了
4機全てが使える状態
それから先ほど申し上げましたイオンエンジンBですけれども、これは2014年、打ち上げた直後に行った初期チェックアウトですね。動作確認以来動かしていないエンジン。しかもまだ累積作動時間は11時間程度ということで、慣らしも十分に済んでいないような時間ですので、まずはプラズマがちゃんとつくか。そしてイオンエンジンとして動くか、というところが非常に緊張したところです。 3番目のところは、先ほども申しましたが、重心が変わったことに対応できるか。これについては次のスライドで詳細に説明いたします。ということですが、結果としては全て問題ありませんでした。ということで、今現在4機のイオンエンジン全てが使える状態で、地球帰還運用を行っているということになります。じゃあ次お願いします。 ちょっと文字が多くて申し訳ありません。こちらがイオンエンジンジンバルの自動制御についての説明になります。左の図は、探査機のイオンエンジン側から見た重心の位置と、それからリアクションホイールのX、Y、Zそれぞれの模式図になります。イオンエンジンは1枚のプレートの上に、それぞれ角度が付いた状態で搭載されており、全ての4台の推力軸は1点でそろうようになっています。この軸が、その1枚のプレートは2軸にぐにゃぐにゃと動くようになっていまして、これを動かして重心を常に貫くような制御が可能となっています。 さらに、この推力軸をわざと重心からずらしてイオンエンジンを噴射することで、本来であれば化学燃料を使って行うリアクションホイールの回転数戻しという機能を、イオンエンジンの力の、わざとずれをつくることで、このリアクションホイールの回転数戻しができるということで、イオンエンジンの運転中は、化学燃料の節約になるという、そういう恩恵があります。 下のグラフは初期チェックアウトのころにやったものを参考として載せております。だいたい3000回転を目指して制御していて、推力【軸制御 00:11:04】開始後、ホイールの回転数がだんだん3000にそろっていくというのが見えるかと思います。以上がイオンエンジンの運転と試運転についての内容となります。