帰還中のはやぶさ2は今 JAXA会見(全文1)第1期のイオンエンジン運転終了
使える状態か否かを確認
ここからが行った試運転の内容の説明になります。こちらの右のほうがイオンエンジン、向かって上からA、B、それから下にいって、C、Dというふうにエンジンに名前が付いているんですが、まず最初にやったのがイオンエンジンA、C、Dですね。往路で使っているエンジンです。これらの全ての組み合わせについて動作を確認したということをまず最初に行いました。 具体的には、A、C、D、3台の運転、それから全ての組み合わせを、各2台の組み合わせ。それから各1台の運転ですね。それからもう1つ、今までずっと、ほとんど使っていなかったイオンエンジンBについても、ここで性能をいったん確認しました。これは第2期において、特に地球にどんどん近づくに従って、イオンエンジンの噴射が非常に重要になってきますので、このときにバックアップとしてちゃんと使える状態かどうかということを確認することが目的であります。 最後にイオンエンジンの近傍運用で、いろんなものを分離しましたので、重心の位置が大きく変わっておりますので、これに対してイオンエンジンのジンバルの自動制御機能がきちんと動くかということを確認したと、主に3つの内容になります。次、お願いします。 このページでは、それぞれのやった内容と、それから一応イオンエンジン担当として何を心配していたかということを書いております。まず最初の試運転ですけども、近傍運用1年半がありましたので、その間イオンエンジンとして作動させたことは一度もありません。なので、まず1年半ぶりの運転でちゃんと動くか。それからタッチダウンですね。着陸を二度行いました。どうなってるかは分からないんですけれども、もしかしたら砂を浴びたかもしれないということで、そういう状態でもイオンエンジン、1.5キロボルトの高電圧を掛けますので、これがちゃんと電圧が掛かって、イオンビームが出ていくか、という心配がありました。それからまた、全てのエンジンセットで運転が可能かということの確認もしたかったというのがあります。