規制強化で新潮流、製紙メーカー非フッ素耐油紙で攻める
規制強化、国内でも議論
PFASは自然分解が難しいことから人や環境へのリスクが懸念され、社会問題化している。米国は22年に、欧州は23年にPFASの製造・使用に関する新たな規制を導入したほか、日本でも規制強化を念頭にした議論が始まった。民間では米マクドナルドが25年までに食品包装へのPFASの使用を全世界で禁止する方針。フッ素入りの耐油剤を製造してきた化学メーカーの事業撤退も続いた。 さらに世界的な脱プラスチック化の流れを受け、ポリエチレンなどを塗布したラミネートタイプの包装用紙についても「これからは非フッ素耐油紙に切り替わっていく可能性が高い」(製紙業界幹部)との指摘が上がる。 食品包装向けの耐油紙市場は月600トン程度とされる。印刷用紙などの需要が縮小する中、製紙各社は成長が見込める非フッ素耐油紙の製造・販売を注力すべき事業に位置付ける。食品包装用耐油紙をめぐる事業環境が一変することで、同分野における勢力図が変化する可能性がある。