政府「骨太の方針2024」、文化芸術の注目点は?
政府の経済・財政運営の方向性を示す「経済財政運営と改革の基本方針2024」(骨太の方針2024)が6月21日に閣議決定された。 今年の「骨太の方針」では、文化芸術項目において「国際的に遜色ない水準まで官民連携投資を促進し、文化芸術のソフトパワーによる新たな価値創造と経済成長の好循環を実現し、心豊かで多様性と活力ある文化芸術立国を実現する」と記載。昨年の「文化芸術と経済の好循環による活動基盤強化と持続的発展を加速し、心豊かで多様性と活力のある文化芸術立国を実現する」と比較すると、官民連携の投資の促進やソフトパワーという言葉が追加されている。 具体的な内容としては、入札が不調で建替が行き詰まっている国立劇場の再整備を「国が責任を持って早急に行う」と明記された。また国立施設については、産業界と連携した「メディア芸術ナショナルセンター(仮称)」の機能を有する拠点の整備を推進するとされている。このメディア芸術ナショナルセンター構想は22年の骨太の方針から登場したもので、すでに3年目に入るものの、まだ具体的な計画は見えてこない。 このほか、アート市場の活性化や日本博2.0などは昨年同様だが、今年は「デジタルアーカイブ化やクリエイターへの対価還元を含むDXの推進」も追加された。この背景には、博物館法改正によってデジタルアーカイブの作成と公開が博物館の事業として位置付けられたことも関係するとみられる。