冬眠続く個別株オプション市場、7年ぶり値付け業者参入で萌芽の兆し
今後日本の個別株オプションが盛り上がるかどうかは個人投資家が鍵を握る。JPモルガン証券の高田将成クオンツストラテジストは機関投資家と異なり、デリバティブ(金融派生商品)の利用に制限が少ない個人は「最大の影響力を持っている」と言う。市場の活性化にマーケットメーカーの増加は必要だが、個人にオプションの利点などを周知させる投資家教育も重要だとの認識も示した。
日本取引所グループの山道裕己最高経営責任者(CEO)は、規模のある現物株市場を持つ先進国の中で個別株オプションの取引が少ないのは日本くらいだとし、「ポテンシャルは非常にある」と話す。少額投資非課税制度(NISA)の拡充で個人の現物株保有が増え、今後はオプションの利用も広がると予測しており、より多くのマーケットメーカーの誘致にも意欲を見せる。
オプティバーの安岡氏は「機関投資家や個人投資家は日本で個別株オプションを取引するのに流動性を求めていた」と指摘。日本の個別株オプション市場は長らく冬眠状態にあったが、同社の市場参入などを機に活性化することに期待を寄せた。
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Yasutaka Tamura