【阪神カップ展望】驚異的ハイレベルのGⅡ 史上初の大記録なるか? 名手2人の初騎乗馬もチャンス十分
[GⅡ阪神カップ=2024年12月21日(土曜)3歳上、京都競馬場・芝外1400メートル] 暮れの京都開催4週目に組まれている阪神カップ。例年、ハイレベルなスプリンターとマイラーが混在する一戦として定着しているが、今年は特別登録の時点でセオやレイベリングといった馬が除外対象となっている。今年に入って3勝クラスとリステッドを制した馬でさえゲートに入れないというのは、5頭のGⅠ馬を筆頭に実績豊富な馬がズラリと揃ったため。今年、関西圏で行われるJRA最後の重賞は、翌日のグランプリに引けを取らない激戦となりそうだ。 連覇を狙うウインマーベル(牡5・深山)は、この秋のGⅠでも5、3着と奮闘している。前走・マイルCSは初めての距離でも見せ場たっぷりの好走だったが、ベストの7ハロン戦に限ると今年もGⅢ阪急杯、GⅡ京王杯SCと2戦2勝。この舞台ならGⅠ馬が相手でも譲れない。 重賞4勝、GⅠでの2着が2度あるナムラクレア(牝5・長谷川)は今回、ルメールとの初コンビで臨む。ベストは6ハロン戦だろうが、この距離でも重賞で3戦していずれも2着。名手の腕をもってすれば、昨夏のGⅢキーンランドC以来となるVも可能だろう。 マイルCSで6着に終わったセリフォス(牡5・中内田)はムーアとの初コンビ。こちらも大いに注目される起用だ。これまで国内での15戦はすべてマイル戦だったが、今回は距離短縮と乗り替わりで新境地開拓を狙う。折り合いの不安がなくなるだけに、一変があってもおかしくない。 GⅠ馬ではママコチャ(牝5・池江)も参戦する。こちらは主戦・川田とのコンビ継続。昨年と同じGⅠスプリンターズSからのローテだが、中間の気配は今年のほうが良く映る。前走も4着とはいえ着差は0秒1。チャンスは十分だろう。JRAで残りわずか4頭となったクロフネの産駒だが、勝てば種牡馬として史上初の20年連続重賞勝ちとなる(19年連続はパーソロンとタイ)。 春のGⅠ高松宮記念を制したマッドクール(牡5・池添)はその後が案外。そこで今回は未勝利戦V以来の7ハロン戦に矛先を向けてきた。追走が楽になれば変わり身がありそうだ。8か月ぶりの復帰戦となるシャンパンカラー(牡4・田中剛)、デキの良さが目立つダノンスコーピオン(牡5・福永)もGⅠ馬の威厳をかけて挑む。 他にも、GⅡスワンSで鮮やかな復活を遂げたダノンマッキンリー(牡3・藤原)、7ハロン巧者レッドモンレーヴ(牡5・蛯名正)、決め手鋭いオフトレイル(牡3・吉村)などがスタンバイ。見応えたっぷりの土曜日が待っている。
東スポ競馬編集部