FOMC声明とパウエル議長会見 「利上げ」以外の注目ポイントは?
株価下落への口先介入は?
今回のFOMCは事前に極タカ派な予想が多く飛び交い警戒感が強い中で迎えました。そうしたこともあってサプライズ感はありませんでしたが、やはりパウエル議長が利上げについてあらゆる選択肢を排除しなかったことはタカ派な印象を受けました。 1月に入り、米国株は急落しています。従来ならパウエル・プット(株価下落を止めるべく口先介入)の発動が期待されるところですが、1月FOMCでそうした素振りはほとんど見られませんでした。パウエル議長はインフレ沈静化を最優先課題とする構えを見せており、株価に配慮する意思は乏しいようです。 その一因にコロナ禍の資産価格上昇で超富裕層の資産が膨張したことがあるでしょう。資産保有額上位1%の世帯が占める総資産の割合はパンデミック発生以降に急上昇しています。通常、資産効果と言えば株式や不動産といった資産価格上昇がマクロの消費増加に寄与することを意味しますが、資産がごく一部の超富裕層に偏在している状況においてマクロ的な消費刺激効果は限定されます。その反面、多額の資産を有しない中間層以下は、給付金効果が枯渇する下でインフレに直面したことで暮らし向きが悪化し、過去数か月の消費者心理は底割れ状態にあります。こうした状況で、FRBが株価を下支えする姿勢に転じることは当面考えづらいです。
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