ほぼ「五公五民」の国民負担率は本当に高いのか、OECD加盟国には「負担率86.8%」という国もある
こういうときこそ、「似ているけれど違うもの」に意識を向けて、それぞれの違いを明確にしていくことが重要です。 ■税金と「似ているけれど違うもの」とは? ということで、税金の話に入りましょう。では、税金と「似ているけれど違うもの」には、どのようなものがあるでしょうか? 税金と似たものには、社会保険料があります。会社で働くようになると、毎月もらう給料の中から会社から先に天引きされており、実際には稼いだはずなのに、もらうことができない負担(控除)がさまざまあります。
逆にいえば、会社が従業員に代わって、従業員が負担すべきものを支払っていることになります。その典型例が「税金」です。 そうすると、同じように会社員の例で考えると、会社に天引きされてしまっている負担はなにかという発想で考えてみると、社会保険料があるわけです。これは働いている人には、次の具体例を挙げると、「ああ、あれか」とわかるでしょう。 ①厚生年金保険料 ②雇用保険料 ③健康保険料 これらは給与明細書をよくみると、給料から差し引かれたものとして目にすることができるものです。
もちろん、まずは所得税、住民税という「税金」があります。それ以外にも、先ほどの①厚生年金保険料、②雇用保険料、③健康保険料などの「社会保険料」が、そこには記載されています。40歳になると、④介護保険料も払います。 これらは、いずれも国民がいざとなったときに国から受けられる社会保障の給付としてのサービスのために、国民が負担している保険料の支払いになります。 あなたが高齢者であれば、あるいは高齢者になれば、年金を国からもらって生活の支援を受けることができます。会社を辞めて失業したときには、一定期間にわたって生活にあてるためのお金をもらうことができます。
病気やケガをして病院にかかるときには、実際に病院に支払うべき医療費(診療にかかった費用)や、お医者さんに処方してもらって薬局で購入する医薬品(薬)代の支払いが必要になります。 しかし実際に、処方薬を含む医療費については、健康保険の制度があるため、3割(30%)のみをわたしたちは支払っています(年齢などにより割合は異なります)。 残りの7割(70%)はというと、病院や薬局にわたしたちが負担した健康保険料を財源に、健康保険組合から支払いがなされているのです。