「天丼てんや」の“定食ごはんおかわり無料”終了に嘆きの声が続々 今夏の米価格高騰の余波で小規模店舗や定食チェーンから「おかわり無料」が消えゆく現状
天丼チェーンの『天丼てんや』は11月8日、天丼や定食など一部メニューについて、昨今の米価価格高騰を理由に値上げを実施した。さらに、定食メニューにおける「ごはんおかわり無料サービス」を11月7日で終了。“ごはんのおかわり”を楽しみにしていたファンにとっては厳しい世の中になってきている。 【写真】器にたっぷり 天丼てんやの定食メニューの大盛りごはん。天ぷらのタレをつけて味変を楽しむ
今回『天丼てんや』で価格が改定されたのは、天丼(5品)、サービスセット(2品)、定食(5品)、お持ち帰り弁当(6品)で、それぞれ30円の値上げ。また、ごはん(単品)、お持ち帰りごはん(単品)、“ごはん大盛り・ごはん特盛りへ変更”も20円値上げとなる。 定食メニューにおける「ごはんおかわり無料サービス」は終了となり、代わりに「定食のごはん大盛り無料サービス」がスタートした。今回の価格改定について外食産業に詳しいフリーライターの小浦大生氏はこう話す。 「定食メニューは小鉢がついているということもあり、天丼メニューに比べて価格帯は高いのですが、その分ごはんがおかわり無料ということで、よりたくさんの量を食べたい人にとっては、コスパがいいと好評でした。そのおかわり無料サービスがなくなったうえで、30円の値上げなので、“てんやの定食”ファンにとっては、インパクトが大きい価格改定だと思います」 実際にてんやのおかわり無料サービス廃止にがっかりするファンは多い。 「てんやはお漬け物も無料なので、ごはんを何杯も食べるにはちょうどよかったんです。テーブルの上にある天ぷらのタレをごはんにかけて、味変しながら食べるのも楽しみでした。今後おかわりが無料ではなくなるのは、残念で仕方ないです」(20代男性) 「通常の天ぷら定食にお好みの天ぷらを2つほど追加して1000円前後ですが、それでごはんを2~3杯食べるというのが、個人的な“ご馳走”でした。それができなくなるのは、つらいですね」(30代女性)
小規模飲食店に打撃を与える米価の高騰
今夏の米価価格高騰を受けて、ごはんのおかわり無料サービスを終了する飲食店は少なくない。前出の小浦氏はこう話す。 「私が定期的に利用している飲食店だけでも、個人経営のとんかつ専門店や数店舗ある小規模な中華料理店など、複数の店舗がおかわり無料サービスをやめました。また、焼肉店や居酒屋などでは、ランチタイムのみ定食メニューを提供し、かつごはんおかわり無料サービスを実施するケースも多いのですが、そうしたお店がサービスを終了することも多かったです。 ランチタイムのごはんおかわり無料は、利益度外視のお店も多い。ただし米価が高騰したとなると、おかわり無料がダイレクトに収支を圧迫します。今年の夏は、流通する米が不足するということもあったため、単純に提供できるごはんが足りないという問題もありました。利用者にとっては残念なことですが、致し方ないことだったとも言えます」