クーデターを阻止したのは「パラサイト」を超える大ヒット映画だった…謎だらけの韓国戒厳軍 撤収兵士に市民が「お疲れ様でした」
投入された特殊部隊
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が非常戒厳を出した“自爆クーデター”は議会で撤回を要求され深夜から未明にかけての6時間で終息という呆気ない結果に終わった。戒厳令に踏み切った理由については「国会で大多数を占める野党議員による国政混乱を打開するため」、あるいは「尹大統領が提議した政府予算案を野党が大幅に削減したため行き詰まった」「最愛の妻である12歳年下の美貌の持ち主キム・ゴンヒ夫人への疑惑追及をかわそうとした」などの憶測が飛び交っているが、クーデター失敗の裏で囁かれているのが国会占拠に投入された武装軍隊の振る舞いだ。 【写真を見る】「50代でこの美貌!」キム・ゴンヒ夫人の整形ビフォー&アフター ***
激しく抵抗する国会議員や深夜にもかかわらず集まった数千人の市民が怒号をあげる大混乱状態の中、「戒厳軍は武力による実力行使に本気だったのか」という疑問の声が出ているのだ。 現地の軍事ジャーナリストがこう分析する。 「投入されたのは韓国陸軍の特殊部隊である第707特殊任務団、第1空挺特戦旅団、第3空挺特戦旅団、特戦司令部特殊作戦航空団、首都防衛司令部の軍事警察特戦隊など約280人で、一部部隊は国会議長拉致や議員逮捕の任務を命じられていました。窓ガラスを割って国会内に侵入したり、野党・共に民主党の女性スポークスマンであるアン・グィリョン報道官が『恥ずかしくないのか』と叫ぶと、銃口を向けたりする兵士の映像が流され市民に強いショックを与えました」 確かに軍隊の暴力性と非常事態の現在進行形を目の当たりにした多くの視聴者は、戦慄を覚えたことだろう。しかし、一方でこんな見方も。 「戒厳軍の様子には明らかに戸惑いが見られます。北朝鮮ゲリラとの銃撃戦も覚悟して来たら、国会にいたのは現役の国会議員と職員、そして丸腰の市民でした。速攻で議会を占拠、強制解散できたはずの戒厳軍の動きはバラバラで、中には銃から弾倉を抜いた兵士や90度のお辞儀で謝罪する兵士の姿も見られるなど謎だらけなのです。尹大統領によって戒厳令が解除されると兵士たちは撤収を開始し、その後ろ姿に市民からは『お疲れ様』『気を付けて帰れよ』などの声が飛んでいました。発砲して死者が1人でも出ていたら韓国中が大騒ぎとなり、ゼネストや大規模デモの頻発で韓国社会は大混乱に陥ったでしょう。軍の絶対命令下でも自制した兵士たちは冷静に行動できたと思います」(前出の軍事ジャーナリスト)