韓国の航空機事故が来日ゴルファーに及ぼす影響は甚大!? 事故後に変化した務安国際空港と長崎県の関係とは?
3月まで予定していた長崎-務安の定期便は運休
2024年12月29日に韓国の務安(ムアン)国際空港で発生した済州(チェジュ)航空の事故で、搭乗していた181人中179人が死亡した。韓国にある空港の中で日本人になじみがあるのはソウルに近い金浦(キンポ)国際空港、もしくは仁川(インチョン)国際空港で、ほとんどの日本人旅行客がこの2つの空港を利用するだろう。 【写真】バレたら“永久追放”!? これがマスターズで“持ち込み厳禁”の品目です
務安国際空港は、全羅南道(チョルラナムド)・務安郡にある地方の空港だが、国際便があることで近隣住民を中心に近年は利用客も増えていた。日本には長崎への定期便が運行していて、ほかにも中国やタイ、台湾、ベトナムにも行くことができた。 2024年12月2日からは成田と関空にも直行便が就航したこともあり、インバウンドへの期待が高まってきたところでの事故だった。 この事故発生後の12月30日には、6万8000件あまりの済州航空の予約キャンセルが発生。個人の乗客だけでなく、旅行会社のパッケージ商品にもキャンセルが相次いでいるという。 近年、長崎へは韓国からのゴルフ旅行者が多く、2024年10月にソウル-長崎の定期路線が5年半ぶりに再開。平日から多くの韓国人ゴルファーが長崎のゴルフ場に訪れていたという。ちなみに23年に長崎県内に宿泊した外国人は約35万人、そのうち韓国からの訪問客が約9万6600人を占め最多だった。 当然、ソウルからの旅行者だけでなく今回事故の起こった務安からも長崎へゴルフ旅行に来る韓国人も多かった。長崎-務安間は2024年12月10日から週3往復の定期便が運行され、ゴルフ好きの韓国人にとってはプレーだけでなく、温泉や観光なども楽しめると好評だったという。同定期便は3月29日まで運航予定だったが、1月6日に全便運休が決まったそうだ。
済州航空のキャンセル相次ぎ旅行会社も大打撃
地方紙「南道日報」によると「今回の事故で地方の旅行会社は大混乱に陥っている。事故後、空港内に旅行関連商品を宣伝していた旅行会社は、宣伝チラシや大きなプラカードなどの撤去に追われた。A社の事務室は事故後、5~6人の職員が出勤し、務安空港の現場の状況をモニタリングし、対応策を考えるなどで大忙しだった」と伝えている。 また、経済紙「毎日経済」が某旅行会社の職員に話を聞いた話として「12月30日から1月2日までの予約キャンセルの件数が、例年対比で約35パーセントにものぼった。その中でも済州航空を利用する商品の割合が43パーセントにも達した」と伝えた。 当面は務安から韓国人旅行客が訪れることはなくなってしまったが、事故原因が判明されない限り、長崎と務安を結ぶ定期便の再開も難しいかもしれない。
キム・ミョンウ