子どもを欲しいと思ったことが人生で一度もない、出産適齢期の私が子どもを欲しくない理由【前編】
男性が言う「少子化の原因は女性」「子どもを産め」にうんざり
振り返ってみると、私は人生で一度も、「子どもが欲しい」と思ったことがありません。今回はその理由を考えていきたいと思います。 先日、日本保守党の代表である百田尚樹氏が、ユーチューブ番組で少子化対策をめぐり、あくまでSFの話、と前置きはあった上で「女性は18歳から大学に行かさない」「25歳を超えて独身の場合は、生涯結婚できない法律にする」「30超えたら子宮摘出手術をするとか」と発言したことが、大きな問題となりました。 この発言を聞いて「もううんざり」と思った人も多いのではないかと思います。本当に醜悪な発言だし、強い怒りをおぼえる。でも私の場合、正直もう怒ることも、呆れることにも疲れたというのが本音かもしれません。だって、百田氏以外にも「少子化の原因は女」といった主旨の暴言を吐く政治家は今までにもいましたから。 本当に不思議なんですよ。何で生理も妊娠も出産もない男性が、平気で女性の身体のことについてズカズカ発言できるのか。自分は何の痛みも負わない立場なのに、子どもを産めみたいなことを言えてしまうのか。
子どものころから抱えていたある思い
出産するのは嫌だ。そう思ったのは中学生か高校生の頃だったと思います。子どもながらに、出産は激しい痛みを伴うものだとわかっていたからだと思います。 加えて、私は赤ちゃんや小さな子どもを可愛いと思えないタチでした。保育園の子達が散歩しているところに遭遇すると、友人たちは「子どもってなんであんなに可愛いの?!」と大はしゃぎ。対して「無」の私。温度差で風邪をひきそう、とか思っていました。学校のプログラムで保育園に交流に行ったとき、なぜか園児から人気でたくさん子どもたちが寄ってきましたが、とにかく接し方がわからなくて困惑しました。 まだ私は小学生でしたが、そんな自分を「人間として何かが欠落しているんじゃないか」とすごく冷静に見ていたように思います。 大人になってからも、子どもを可愛いと言える自分、を演じている時があります。だって、子どもを見たら可愛いって言わないといけないみたいな空気がありますもん。
子どもは欲しくない私は変わり者?
子どもが欲しいと思えないことって、普通じゃないんだ。そう思い知らされる場面は幾度となく訪れました。親友は絶対に子どもが欲しい派で、なんなら夫はいらないから子どもだけ欲しいみたいなことを言っていたんです。 「私は子ども欲しいとか思ったことないなぁ」と何気なく言うと、「え、なんで???!!!!」とものすごくビックリされたんです。なんでって言われても、私からしたら子どもが欲しいと思うことの方がなんで? なんですけど……。でも、自分が世間の普通から外れている自覚はあったので、それは口には出しませんでした。
ヒオカ