若くても「脳ドック」“受けたほうがいい人”の特徴 「どんな病気がわかる?」「費用は?」医師が解説
無症候性脳梗塞が見つかる人は、高血圧や糖尿病、脂質異常症があることがほとんど。このため、再検査で診断がついたら食事や運動、禁煙も含めた生活指導が必要になる。 ■50代は「海馬の状態」もチェック 50代に入ると、物忘れが徐々に増え、認知症が気になる年頃だ。そのときは、前出のスタンダードな脳ドックに、「VSRAD(ブイエスラド)」を加えるとよいそうだ。 「VSRADは撮影した頭部MRI画像を使って、記憶をつかさどる海馬の萎縮度を測定する画像診断システムです。最近は多くの脳ドックで取り入れられています。海馬の体積は非常に小さいため、従来の脳ドックで見落とされていたものも、VSRADでは確認できます」(金中医師)
VSRADはオプションで用意している施設が多く、費用は3000~3500円が相場だ。 海馬の萎縮は、アルツハイマー型認知症に特徴的に表れる。 「認知症は早期に見つかるほど、進行を遅らせることができます。アルツハイマー型認知症の新薬レカネマブも、早期の患者さん向けの薬です。脳ドックでVSRADを受ける人が増えれば、救われる患者さんが増えますし、介護問題の解消にも役立つと思います」(金中医師) 脳ドックでは紹介してきた病気以外にも、脳腫瘍や微小な脳出血を見つけることができる。検査は痛みなどを伴わず、放射線による被曝もない。
脳ドックの指針を定めている日本脳ドック学会のホームページでは、全国の認定施設を紹介しているので、気になる人はチェックしてほしい。 最後に施設選びのポイントを紹介する。 カギは「脳ドックで異常があった患者さんへの対応がしっかりしていること。この点では脳神経外科医がいる施設や、そのような医療機関と連携していることが望ましい」と、金中医師は言う。 ■未破裂の脳動脈瘤が見つかったら? 例えば、未破裂脳動脈瘤が見つかったとしよう。