若くても「脳ドック」“受けたほうがいい人”の特徴 「どんな病気がわかる?」「費用は?」医師が解説
テスラは、MRIの磁石を引き付ける強さのことで、強いほど鮮明な画像が得られる。 ■若くても脳ドックを受けたほうがいい人 日本脳ドック学会では、「中・高齢者」「脳卒中・認知症の家族歴がある人」「喫煙している人」などのリスク因子を持つ人たちを、脳ドックの対象としている。 これに対し、金中医師はリスク因子にかかわらず、「30代になったら一度、脳ドックを受けたほうがいい」と考える。 とくに若くても喫煙習慣や大量飲酒、ストレス、家族にくも膜下出血になった人がいるといったリスクがある人は、脳ドックを受けるメリットが大きいそうだ。それはなぜか。
「くも膜下出血は中高年だけではなく、脳動脈瘤や脳血管の奇形が原因となるため、年齢に関係なく20~30代でも発症します。この病気を予防できる一番の手段が脳ドックなのです」(金中医師) くも膜下出血は、頭蓋骨の内側にあるくも膜と、軟膜の隙間のくも膜下腔(くう)に出血が起こる病気だ。約80%は、脳動脈瘤が血圧の上昇などにより破裂することで発症する。 「原因となる脳動脈瘤は生まれもった『できやすさ』があり、検査をすると若い人にも見つかります。小さなものを含めると100人に1人が持っているという報告もあります。この脳動脈瘤は太い動脈にしかできないので、頭部MRAでほぼ100%見つけられます」(金中医師)
くも膜下出血は致死率40%という怖い病気だ。しかし、破裂前の脳動脈瘤(未破裂脳動脈瘤)の段階で見つけて、経過観察を続け、破裂リスクが高まってきたタイミングで予防的手術を受ければ、くも膜下出血を防ぐことができる。 脳ドックというと費用が高いというイメージがあるが、それは、画像はAIや読影専門の放射線専門医によってチェックされるからだ。やはり、すべての脳の病気を見つけようとすると、時間も費用もかかってしまう。実際、医療機関によっても異なるが、相場は3万~4万円ほどだ。