若くても「脳ドック」“受けたほうがいい人”の特徴 「どんな病気がわかる?」「費用は?」医師が解説
ただ、金中医師によると、最近は若い人を対象に、脳動脈瘤の早期発見にフォーカスした比較的安価な脳ドックも出てきているという。「若い人は、そうしたところを選ぶといいと思います」と金中医師は言う。 なお、検査を受けて脳動脈瘤がなければ、毎年必ず脳ドックを受けなくてもいい。見つかった場合は医療機関で経過観察、または必要に応じて予防的治療を考えることになる。 (関連記事:「頭痛を甘く見るな」危ない“警告頭痛”の4大特徴)
■40代以降の脳ドックの受け方 40代以降は、生活習慣病やメタボリックシンドロームを抱える人が増え、動脈硬化が進行してくる。この年代になったら、脳梗塞のリスクについてもしっかりチェックできるフルコースの脳ドックが望ましいという。 脳梗塞とは、脳に栄養や酸素を運ぶ動脈が詰まることにより、脳神経細胞が部分的に死んでしまう病気。損傷を受けた部分によって、まひやしびれのほか、言語障害やものごとを理解したり、記憶したりする機能が低下する高次脳機能障害など、さまざまな障害が残り、生活に支障がおよぶことも多い。
脳梗塞のリスクを見るには、頭部MRI、頭部MRAのほか、頸動脈エコー(超音波)や血液検査、心電図などが必要だ。これはスタンダードな脳ドックのメニューで、日本脳ドック学会が推奨している内容になっている。 頸動脈エコーは、首にある頸動脈を超音波で測定する検査だ。頸動脈が狭くなっていたら動脈硬化が進行しているサイン。脳梗塞のリスクが高いといえる。血液検査では、血糖値やコレステロールなどの値を調べ、生活習慣病の兆候があるかどうかチェックする。
金中医師によると、実際によく見つかるのは、脳梗塞の前兆ともいえる「無症候性脳梗塞」だ。主に5mm以下の細い血管にできる脳梗塞で、その名の通り症状はなく、「隠れ脳梗塞」とも呼ばれている。 「無症候性脳梗塞は脳の組織に明らかな影響が生じないため、症状が表れません。ただし、放っておくと太い血管が詰まり、本格的な脳梗塞になる可能性がある。また、小さな脳梗塞が多発することで、血管性の認知症になる場合もあります」(金中医師)