<古民家暮らし>を始める前に考えるべきはズバリ…人気建築家が平屋住まいや移住のメリット・デメリットを徹底分析
◆奄美大島のトレーラーハウスで思ったこと 奄美大島(鹿児島)の静かな入り江の砂浜にあるトレーラーハウスの宿に1週間ほど滞在した。 トレーラーハウスとはキャンピングカーの動力がないもので、乗用車やトラックでけん引してキャンプや生活ができる。海外映画で郊外の低所得者層の住まいとなっているアレである。 そのトレーラーハウスの宿には、ツインベッドと小さなドレッサー、トイレ・洗面・バスタブ一体の3点ユニットバスがコンパクトにしつらえてある。 窓は目線の高さで、砂浜が間近に眺められ、ゴージャスになった海の家のごとし。ウッドデッキに流し台もあるので、地元スーパーで買い物をすれば現地のフルーツ盛りと海鮮の星空ディナーで夜が更ける。 凪なぎの浜辺を散歩したり、カヌーやSUP(立ってパドルで漕ぐサーフボード)で釣りをしたり、自分たちの心の赴くまま楽しんだ。 雨の日もあったが、畳1帖ほどの玄関ポーチにテーブルを移動させ、お弁当を食べるだけでも会話は弾む。しりとりでおなじみの「ルリカケス」を見つけたりもした。
◆現代の居住スタイルは、さまざまな選択肢がある もし、ロケーションが最高の、内緒の地を持つ機会があれば、トレーラーハウスで心の贅沢を満喫してみたいと思ったりもする。 このトレーラーハウスだが、専門業者から購入することができる。簡易的な設置で済むので基礎工事は不要だし、すぐに動かせる状態なら車両と見なされるために固定資産税も建築確認申請も必要ない。 自分が気に入ったロケーションに停めれば秘密基地のできあがりである。必要なのはけん引免許の取得だけだ。 家を建てたいと思ったときに、最初に足を運ぶのは住宅展示場だろう。そこで営業マンに年収を聞かれて住宅ローン借入額の限界値を知り、その金額の呪縛にとらわれたまま、家づくりのあれこれが決められてゆく。昭和の時代はそうであった。 生活スタイルが多様化した現代は、居住スタイルもさまざまな選択肢がある。家は人が住む器だから、かかる費用は決して安くない。 さりとて自分の意思で決めた住まいの痛快さは何物にも代えがたいものだろう。最近では、リゾート地でトレーラーハウスやドームハウスに泊まれるサービスも多くなってきた。まずはこういった体験から始めてみるのもいいだろう。
【関連記事】
- 高齢者は本当に家を借りにくい?終の棲家は必要?人気建築家が<家に人生を捧げがちな日本の住まい方>を見直して気づいたこと
- 紫苑72歳・年金月5万円生活 65歳で購入した築40年の一軒家の価格とは?家賃からの解放という安堵を得た今感じていること【2023年4-9月ベスト記事】
- おひとりさま70代の働く女性たちが共に暮らせる「町」を作った!リーズナブルなサ高住、自立期から看取りまで年金で暮らせる家
- シングル定年女性、老後の家をどうする?いつまで働けるのか、折り合いの悪い母と住むか、家を探すか…連立方程式のような「老後モラトリアム」
- 読者アンケートで見えた理想の終の住まいとは?フローリングにして転倒、床下にシロアリ…実際にあったリフォームトラブルも紹介