<古民家暮らし>を始める前に考えるべきはズバリ…人気建築家が平屋住まいや移住のメリット・デメリットを徹底分析
子どもがもうすぐ独立、このまま独身で生きようかと考えている、親がそろそろ要介護、定年退職が見えてきた、…など、人生のセカンドステージを迎える時期だからこそ、住まいの観点から新しい生き方を考えてみませんか。小さな家・二拠点生活・古民家・空き家活用など、時代に合った「住まい方」に挑戦した、50代以降の女性達を多数紹介した書籍「人気建築家と考える50代からの家」より一部を抜粋して紹介します。 【書影】人生の節目で一旦立ち止まり、理想の未来と家を考えるきっかけに…湯山重行さん著書『人気建築家と考える50代からの家』 * * * * * * * ◆第二の人生、最高の住まいを手に入れるには? リタイアしたらいろいろなものから解放されて身軽になる。 全力疾走していた若い頃に身に着けていた鎧(よろい)をそっと脱ぎ、自分の心に素直に従う生活を始めたいと思っている方も多いと思う。 例えば「愛する人と二人きりの生活を好きな場所で満喫する」「愛犬、愛猫と穏やかに暮らす」「人生の苦楽をともにした愛車をかわいがる」といったふうに。 社会人時代には守るものも多かったので、どうしてもディフェンス力ばかりが育ってしまっていた。 「これがあるからできない」「いつか機会があればやろう」、こんなネガティブワードばかりが心を支配していた。 リタイアした今、改めて心に問うてみる。すると、やっかいなことが結構取り払えているのではないだろうか? であれば「こうすればやれる!」「じゃあ、行こう!」と心の中で唱えて、紙に書いて壁に貼って行動してみる。 これこそ人生のB面の始まりである。その中には新居を建ててみるとか、住み替えるという選択肢もあるだろう。
◆「家を建てるのが一番!」と断言するつもりはない 「老いてからは最低限の快適さがあればいい。それより元気なうちにやってみたかったことにチャレンジしたり、行きたかった場所に行ってみたい」という方もおられよう。 自分の持てるものに改めて気が付いて「なんだかんだ言っても今の家が一番だ」となれば、それは幸福なことだ(ただ三階建ての家は年老いて身体が思うように動かなくなったときにデッドスペースが多くなるし、断熱性が著しく低い古い家は健康リスクが高まるので、これらに当てはまる方には建て替えや住み替えをお勧めしたい)。 大事なのは、何も考えずに楽な道を選ぶのではなく、人生のB面を見据えて一度、未来を考えてみることだと思っている。 ここから先は、「もし、これからの人生でこんな家に住むとしたら」という前提で、理想の住まいについて自由に想像する旅にご案内しよう。 誰しも一度は憧れるユニークな住まいについて、シニアに人気の小さな平屋や移住について建築家の立場で自由に語ってみることにする。
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