ハンディ乗り越えた先の希望に センバツ開会式司会・古田桃香さん
兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で18日に開幕する第96回選抜高校野球大会(毎日新聞社など主催)で、長崎県立諫早高の古賀美希さんと、岐阜県立岐阜北高の古田桃香さんが開会式の司会を務める。2人はともに現在高校2年で、第70回NHK杯全国高校放送コンテストで古賀さんがアナウンス部門、古田さんが朗読部門の優勝者だ。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 古田さんは、開会式のうち式典のアナウンスを担当する。 「広い甲子園球場に声が届くよう一言一言を大事にし、最高の式にしたい」。昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)をきっかけに野球に興味を持ち、昨夏の甲子園はテレビ観戦した。 「プロ野球と違い、負けたら終わりの高校野球は試合に懸けるものが大きい。球児の魂のぶつかり合いを感じました」 視覚障害がある。岐阜盲学校中学部3年だった2021年の全国盲学校弁論大会全国大会で優勝し「話す力をさらに伸ばしたい」と思うようになった。岐阜県内有数の進学校の岐阜北高に進み、放送部に入部。部では登場人物の気持ちに寄り添う表現ができる朗読にひかれ、コンテストは原稿を暗記して臨んだ。 「障害のある私に分け隔てなく接してくれる先生や友人らのサポートがなければ、コンテストの優勝はなかった」。ハンディを乗り越えて優勝を果たし甲子園に行けることに大きな意義を見いだしている。 「堂々と球場に立つことで、障害を抱えながら頑張っている人には希望を感じてもらいたい。健常者の方には、障害者が秘める可能性を示したい」【安達一正】