今日ドラフト!近大・佐藤と早大・早川に最大4球団の競合予想…2人は本当に「10年に1人の逸材」なのか?
「スケールが大きい。バットスイングはパワフルで逆方向にも打てる。なにより大型でありながら走れるのが魅力だろう。足を生かすには三塁よりも外野だろうが、ベンチが我慢して使いやすい。鍛えがいがありノビシロのある選手だ」 だが、即戦力、“ギータ(柳田)2世“との評判には異論がある。 「まだ不安点は多い。ひとつは関西学生リーグのレベルの問題。投手は対戦打者のレベルにそう影響されないが、打者はどんな投手を打ってきたかを見極める必要がある。通算14本塁打は、リーグ記録らしいが、そのまま受け取るのは危険だろう。またバッティングに不可欠な“間“がしっかりと作れていない。どちらかと言えば衝突タイプ。だから金属バットを使っているようなバッティングに見える。ボールの捉え方が、ヤマ勘のようにも感じるのだ。高橋由伸は、この”間”が大学時代からあった。ただオリックスのT-岡田くらいの力はあるだろう。T-岡田はベストで33本、96打点、打率.284をマークしたらしいが、そこまでいくポテンシャルは持っていると思う」 過去に片岡氏は、巨人の岡本和真の智弁学園時代に「将来の4番が欲しい球団は1位指名すべきだ」と主張。一方で、7球団が競合した日ハムの清宮幸太郎の早実時代には「そこまで競合するほどの選手ではない」とシビアに指摘していた。巨人の4番に育った岡本と、今なお苦悩している清宮を見ていると片岡氏の眼力には説得力がある。 一方の早川はどうだろう。 最速は155キロ。24日の立教大戦では12奪三振の完封勝利をやってのけた。スライダー、カット、カーブ、ツーシーム、チェンジアップと変化球も多彩で投球術もある。 実は、木更津総合時代に甲子園で唐津商、広島新庄と2試合続けて完封勝利したころから、片岡氏は早川を「面白い素材」と評価していた。
「高校生の頃からテンポと制球が良く、キャッチャーとの意思疎通が抜群に優れていて、そこにセンスを感じた。打てそうで打てないボールが武器。つまり天性の打者に腕が見えにくく、タイミングを取り辛くさせるという投球フォームとテンポがあった。早大の先輩であるソフトバンクの和田毅のタイプだ。まだストレートが140キロ台だったが、大学に入り、ストレートが150キロ台に乗りスケールが一回り大きくなった。キャプテンを務めるなどハートも申し分がない。左投手を欲しがっているチームも多く、堂々の1位候補だろう」 当時、甲子園では早川ではなく作新学院の今井達也(西武)、花咲徳栄の高橋昂也(広島)、履正社の寺島成輝(ヤクルト)の“BIG3“が注目を浴びていた。実際、今井と寺島が1位指名で消え、高橋も2位で広島へ入った。今井はエースと期待された今季は伸び悩み、寺島は中継ぎ起用に甘んじている。早川は4年で彼らを追い越せる存在になったのか。 片岡氏は、こんな意見だ。 「右左のタイプは違うが、今新人王を争っている広島の森下暢仁に比べると若干見劣りする。10年に一人、文句なしに2桁を約束される、というレベルにはないだろう。やや球離れが早く、まだ体を使いきれていない部分も目立つ。ただ変化球はいいし、制球も含めて元々ピッチング技術のある投手。ヤクルトや西武のように左投手を求めているチームが多いし、チームの事情に合致することができれば結果は出すだろう」 運命のドラフト会議は、本日午後5時、各球団が会場のホテルの個室に待機して入札する異例のリモート方式で開催される。