22歳急死の女子二世レスラー木村花さんは「自分表現のため悪役を選び礼とモラルを知る努力家」…今こそSNS被害対策を
木村花さんは、人気プロレスラーの武藤敬司が校長を務めていたプロレス専門学校プロレス総合学院に入学。2016年3月に卒業試合でデビューし、武藤が率いるWRESTLE-1などで活躍していたが、2019年の3月にスターダムに入団した。 入団前のフリー参戦時からスターダムではヒールの立場を貫いた。スターダムはユニットを作り抗争スタイルを持ち込んでファンに支持されているが、木村花さんは「TOKYO CYBER SQUAD」のリーダーとして活躍していた。 「血筋があり、ルックスがよくて背も高い。だが、運動能力の素材は“並み“だった。飛んだり跳ねたりする派手なスタイルではなく、技の数も少なく、オーソドックス。でも、本人が、自分の力も、自分をどう売り出せばいいのかを知っていた。本来ならベビーフェイスでもよかったはずだが、親の七光りという見られ方も踏まえた上で、あえて反主流派を選び、そして、そこで生きるために努力をした。努力を表に出さないタイプだったが相当の努力家だった」 須山氏は、ヒール役を選んだのには、プロレス総合学院の同期でデビュー戦では木村花さんが敗れた“筋肉アイドルレスラー”で知られる才木玲佳(28)の影響も大きいとみている。 「才木の運動能力の凄さを肌で知り、客観的に体力、能力に恵まれない自分の生き方を考えたのだと思う」 木村花さんが所属していたスターダムは、全日本女子でフロント、アルシオンなどで社長を務めてきた女子プロ界の生き字引、ロッシー小川氏と、元女子プロレスラーの風香が2011年に立ち上げた団体だ。須山氏によると「2005年にGAEAジャパンが解散してから10年ほど、後楽園で月一興行を打てる団体がなく冬の時代だった」そうだが、現在の女子プロレスには、定期興行を打てる団体が10以上あり、ひそかなブームが起きていて、毎年、20人以上の新人がデビューしているという。その中でも、運営規模、集客、人気で群を抜いているのがスターダム。岩谷麻優をエース格に、自前で育成した若手の人気レスラーが多いのが特徴で、現在は、月一ペースで後楽園興行を打てる力があり、東京MX(6月末で終了)、BS日テレでもテレビ中継されている。 グッズの売り上げで稼げるのも女子プロのビジネススタイルで、スターダムは着実に収益を伸ばしていて、昨年12月に、その可能性に目をつけた新日本プロレスも持つブシロード傘下に入り、さらに観客動員はアップ。木村花さんは、今年1月の新日の東京ドーム大会のリングにも上がっている。