パン好きなわたしたちができる社会貢献
夜のパン屋さん
「食」をテーマにして、新しい仕事づくりをしたいという思いからスタートした夜のパン屋さん。運営しているのは、ホームレスの人々の生活サポートを軸に貧困問題解決を目指す認定NPO法人ビッグイシュー基金。2020年10月16日の世界食糧デーにオープンした、パンを焼かないこのお店では、街の協力店が営業時間内で売り切れず、ロスとなってしまう商品を預かり、夜に代理販売している。 現在、協力店は都内の有名店から北海道や京都など27店舗。夜のパン屋さんは、都内各所(神楽坂、田町、大手町)で夜から営業。大事なパンが最後まで誰かのお腹と心を満たす喜びにつなげている。 「協力店ではロスの削減になり、夜のパン屋さんでは販売スタッフの仕事の創出になっています。販売スタッフのバックグラウンドもさまざまで、元ホームレスやひきこもり経験者など、生活に困窮する方や居場所のない方が気軽に関われる小さな仕事場です」
ケルン
パンの街、神戸市で創業78年の歴史を持つケルン。そんなケルンが地域の困っている人を助けたり、環境問題への取り組みもしたいという想いから生み出したのが「ツナグパン」。 神戸エリアの全直営店では、前の日に売れ残ったパンの中から傷みにくいものをアソートし、定価より安く設定された「ツナグパン」を買うことができる。購入時にプレゼントされる100円相当の木製「エシカルコイン」は、次回以降のお買い物で使える。また、その同額のコインが児童養護施設や家庭内暴力の被害者のシェルターなどの福祉施設を介して子どもや女性に贈られ、そのコインで好きなパンを選んで買うことで、「エシカルコイン」が地域やみんなをつないでいる。 「お客様は『お得にパンを買えて嬉しい』、ケルンは『売れ残って捨てざるを得なかったパンを販売できて嬉しい』、そして福祉施設利用者は『自分(や子ども)の好きなタイミングで好きなパンを選んで食べられて嬉しい』という気持ちで動いていて、誰も無理して頑張っていないのに、お互いに助け合えているという嬉しい循環が生まれています」