ルイ・ヴィトン 、コペルニ、ザ・ロウ はパリファッションウィークでいかにアテンションを獲得したか
コペルニは素材でアピール
2022年10月にベラ・ハディッドにスプレーでドレスを吹きかけてインターネットを大いに騒がせたフランスのファッションブランド、コペルニ(Coperni)は、今シーズンはスケール感とショー前のバイラリティを狙うことを選び、コレクション発表前日に宇宙塵の捕集に使用されるシリカエアロゲルというNASA素材を使用した「エアスワイプ」バッグの新作をインスタグラムに投稿した。このバッグが発売されるかについてはまだ明らかになっていない。動画の再生回数は450万回に達している。 コペルニでは、エアスワイプバッグを販促と展示の両方に使用してきた。シルバーの小型エアスワイプは629ドル(約9万4500円)、隕石を素材とするバージョンは約5万9000ドル(約885万円)だ。 コペルニはイノベーション、テクノロジー、ファッションの融合で知られるブランドで、これまでもバッグのほかに、ロボティクス企業ボストンダイナミクス(Boston Dynamics)と共同で製作したロボット犬、テキスタイルのイノベーション企業ファブリカン(Fabrican)とのコラボレーションで演出した「スプレードレス」などの例がある。 「数多くの老舗ブランドがひしめきあうなかで認知してもらうのは難しい」とマリー氏は語る。「だから、コペルニなどのブランドはほかの手段での認知を探っている。バッグのシルエットを見ただけでも認識してもらえる」。
内と外に体験をわけたルイ・ヴィトン
ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)は、そのランウェイを2つの体験に分けた。一つは出席者数約4000人の一般向け、もう一つがプライベートクライアントやセレブ限定の「内輪向け」のショーだ。ロドベン氏によると、ラグジュアリー業界では2つの体験を用意し、富裕層に満足してもらいながら、一般の人々の前にも姿を見せることがトレンドとなっているそうだ。 ルイ・ヴィトンは世界最大規模のオーディエンスを誇り、インスタグラムだけでもフォロワー数は5500万人に上るため、ショーでは観客をあっといわせるために新旧の要素を織り交ぜることことが多い。 クリエイティブディレクターのニコラ・ジェスキエール氏が同ブランドを率いて10周年となる今回の秋冬ショーは、彼の過去のコレクションやクラフトワーク、ルイ・ヴィトンのイコノグラフィーを回顧しながら、ルーブルの巨大な温室の中で開催された。 ルイ・ヴィトンは旅行用トランクで知られるが、それも服と会場内の地球をかたどったシャンデリアの両方に反映されていた。