英中銀、慎重な1年締めくくる会合は据え置きの見通し
(ブルームバーグ): 投資家は年明けに、イングランド銀行(英中央銀行)が年内に6回の利下げを実施すると予想した。しかし中銀は利下げについて慎重な姿勢を貫き、政策金利は年初の想定よりも1ポイント高い水準で2024年を終えようとしている。
19日の政策決定会合で、金利は4.75%で据え置かれる見通しで、「景気抑制的な政策の段階的解除は依然として適切だ」というガイダンスも維持される見込み。
ベイリー総裁は25年に4回の利下げが行われる可能性が高いと述べているが、1年前の積極的な利下げ予想で損失を被ったこともあり、投資家は2月を皮切りとした3回の利下げしか想定していない。
様子見に終わる見込みの19日の会合は、トレーダーや一部エコノミストの1月の予想とは大きく異なった1年を締めくくることになる。
当時の市場は、24年末までに6回の0.25ポイント利下げが行われ、金利は3.75%で年を終えるとの予想を織り込んでいた。
利下げに消極的な姿勢を貫いたため、英中銀は米連邦準備制度や欧州中央銀行(ECB)の金融緩和サイクルに後れをとることになり、ポンドは今年、G10通貨の中で最高のパフォーマンスを記録した。
その結果、インフレ率は中銀の予測よりも速いペースで低下し、現在は目標値である2%をわずかに上回る水準となっている。ベイリー総裁はこれを成功の兆しと呼んだ。
金融政策委員会(MPC)はまたしても、岐路に立つ経済の見通しについてほとんど明確な見解を持たないまま、新年を迎える。24年には英国の選挙が経済見通しに影を落としていた。25年は、トランプ次期米大統領の通商政策が貿易戦争をもたらすリスクがある。
原題:BOE Embraces Caution After Year That Failed to Deliver on Rates(抜粋)
--取材協力:Tom Rees.
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Philip Aldrick, James Hirai