もしもの時、通帳なしで預貯金は引き出せる?「被災直後のお金」にまつわるQ&A
Q 各種支払いや手続きはどうする?
A 生活が落ち着いてから連絡でOK 被災して仕事を失い、収入が途絶えると、日常のお金が回らなくなるかもしれません。こうしたときは、住宅ローン等の返済猶予や、生命保険・損害保険の支払い猶予を受けられますので、り災証明書を提示して契約先の金融機関に申し出ましょう。ほかにも地方税や国税、社会保険料や窓口負担の減免、公共料金やNHK受信料の免除を受けられることがあります。生活が落ち着いたら各窓口へ問い合わせましょう。 勤め先が被災し職を失ったら、失業手当の受給を。ハローワークで相談しましょう。仕事中や通勤時に被災してけがをした場合、労災が認められることもあるので、所轄の労働基準監督署へ足を運んでみてください。 家や仕事を失い、資産もなく生活困窮に陥っているなら生活保護の申請をしましょう。世帯構成と住所地で扶助額が決まります。窓口は住所地の市町村ですが、東日本大震災では、遠方に身一つで避難している人にも、当面、被災者の事情に合わせて生活保護が受給できるよう特別措置が設けられました。 イラスト:いぢちひろゆき
もし被災して通帳やキャッシュカードをなくしてしまったら、お金が引き出せない……と途方に暮れてしまいそうですが、本人確認ができれば一定額のお金は引き出せるんですね。運転免許証などを、つねに携帯しておくと安心かもしれません。 『どんな災害でもお金とくらしを守る』では、損害を証明するためにやっておくといいこと、住宅の一部をとりあえず修理したい場合に受けられる支援などもまとめられています。被災直後は動揺している上、身ひとつかもしれません。ですが、今回ご紹介したようなことを知っているのと知らないのとでは大違い。ぜひ本書で予習してみてはいかがでしょうか? 次回は、「ふだんから知っておきたいお金の備え」についてお届けしていきます。
『どんな災害でもお金とくらしを守る』 (著/清水香 税込み・1,430円・小学館クリエイティブ)
被災者が日々のくらしを取り戻すのに「お金」は必要不可欠。 「被災直後」「生活再建時」「平時にできること」の3段階に分け、それぞれで役立つ“お金の防災知識”がまとられた1冊です。 実際の被災者、トラブルに対応した弁護士、住宅の損害調査にあたった損害保険会社の調査員など、専門家たちのリアルな体験談も収録。 いざというときの支援・相談窓口の連絡先などもまとめられ、防災バッグに入れておきたい必携本です。