【羽生結弦30歳で新たな“氷現者”に】『音』でつないだ『命』のパフォーマンス、単独公演第3弾の開幕
プロのフィギュアスケーター、羽生結弦さんの新たな単独公演「Yuzuru Hanyu ICE STORY 3rd “Echoes of Life” TOUR」が12月7日、さいたまスーパーアリーナで開幕した。出演も制作総指揮も担うアイスストーリーの第3弾は、「命」の意味を問う哲学をテーマにした壮大な物語。 【画像】【羽生結弦30歳で新たな“氷現者”に】『音』でつないだ『命』のパフォーマンス、単独公演第3弾の開幕 この日、30歳の節目を迎えた羽生さんは、主人公の「ノヴァ」をこだわり抜いた演出のもとで演じ切り、「産声~めぐり」など多くの新曲を含む本編12曲に「SEIMEI」などのアンコール曲も加えた圧巻のスケートと卓越した表現力を披露した。
「命」「生きる」をアイスストーリーに
高層ビルが廃れ、崩れ去った世界で、これまでの記憶もおぼろげに目を覚ました主人公が、自らが入っていたカプセルの表面にたまっていたほこりを払い、そこに浮かび上がった文字を目にする “VGH-257”“Nova” 自らの存在を認識したノヴァは問いかける。なぜ、ここにいるのか。なんのために存在しているのか。 やがて、素朴な疑問は「なぜ、生まれてきたのだろうか?」「命とは、何だ」と哲学的な思考を求めた旅の始まりへとつながっていく。 「命」、「生きる」――。この世に存在する人たちのほとんどが、日常の中では深く考えることのないテーマを、どのように氷上で演じるか。羽生さんにとっては、テーマと同様に壮大な挑戦だったはずだ。 羽生さんは公演後のマイクパフォーマンスで「(自らが著した)ストーリーブックを映像チームに渡したとき、『いいじゃん』ってなって、でも、そこから『これ、どうやってアイスストーリーにするの』って(苦笑)。映像チームの監督さんと『どうしよう、こうしよう』と創り上げてきました。(途中で何度も)『どうしたらいいんじゃ』『わーっ』ってなる中で何とか創り上げてきて、演出や僕のスケートも含めて、まとまった瞬間に『いいものができたな』って思うことができました」と笑いを交えつつ、これだけのショーを創り上げた苦悩の一端を紹介していた。