待望のボーナス 現金のままでは目減り インフレに強い資産に換える「賢い運用方法」
金(ゴールド)か、株式か、債券か。それともリスクはとらず定期預金か。物価高に負けないボーナスの運用について考える。AERA 2024年12月16日号より。 【比較表】金利の高い銀行はこちら * * * 物価上昇が続く中、今年も冬のボーナスが支給される時期が訪れた。モノの値段が軒並み上昇し、その結果として現金の価値が低下し続けているだけに、今まで以上にボーナスの使い道について、頭を悩ませている人も多いことだろう。 その一方で、朗報だと言えるトレンドもある。2024年の年末一時金(冬のボーナス)の妥結額は平均83万5133円で、対前年同期比で3.4%の増加。23年の同1.5%増を超える伸びを示したという。 これは、一般財団法人労務行政研究所が東証プライム市場に上場する企業を対象に9月時点で実施した調査の結果だ(約1640社中183社が回答)。大手企業に限って言えば、足元の物価上昇率よりも高い増加率を期待できるかもしれない。 とはいえ、受け取ったボーナスを現金のままにしていると、その価値がどんどん目減りしていくのも確かだ。そこで、インフレに強い(物価上昇をしのぐ資産価値の高まりが期待できる)資産に換えておくという手が考えられる。その代表例として挙げられるのは、不動産や金(ゴールド)、株式。これらのうち、不動産はボーナスだけで手を出せるものではないだろう。 ■特典よりも実益を重視 「押し目買い(一時的に下げた局面で割安に仕込む)という観点で、足元の金(ゴールド)は好機かもしれません。米大統領選直後に価格が急落しましたが、1月20日に就任するトランプ大統領の政策も波乱含みで、安全資産と位置づけられる金(ゴールド)が買われやすい局面が続く可能性が高そうです」 こう語るのは、大御所ファイナンシャルプランナーの深野康彦さん。米大統領選が大接戦で政局の行方が不透明だったことを受け、安全資産に位置づけられる金(ゴールド)に資金がシフト。フタを開けてみるとトランプ圧勝で、資金を引き揚げる動きが加速したと目される。