待望のボーナス 現金のままでは目減り インフレに強い資産に換える「賢い運用方法」
だが、高金利社債が出てくるまで何も手を打たないままでいると、物価上昇とともにボーナス資金の目減りが続いてしまう。多少でも高めの金利の預貯金に預けて、ダメージを緩和させるという作戦もアリでは? 定期預金の金利優遇キャンペーンを実施している銀行もある。 ■短期の運用で乗り換え 「日本銀行の植田和男総裁発言からも追加利上げの時期が近づいている様子で、12月や新年1月の金融政策決定会合で現実となる可能性も考えられます。だとすれば、金利優遇につられて満期の長い定期預金を選ぶのは避けたほうが無難。できるだけ満期が短いものを選び、金利の先行きを観察しながら、乗り換えていくのがいい」(同) 表は、満期1年以下の定期預金で高めの金利を提示している金融機関をリストアップしたものだ。また、出し入れ自由の普通預金でもメガバンクの2~4倍の金利を適用している銀行が見つかったので、それらも掲載している。 定期預金の満期が訪れる前に日銀の利上げが行われた場合も、見直された預金金利を見て、乗り換えるべきか否かを冷静に判断すればいい。定期預金を中途解約すると当初に提示された数値よりも低い金利が適用される。だが、高金利時代ならまだしも、現状の水準なら違いは軽微だと言えよう。 たとえば三菱UFJ銀行の場合、1年もの定期を6カ月未満で解約すると、解約日における普通預金金利が適用される。6カ月以上1年未満なら、「預入日における6カ月もの定期の金利×70%」だ。本誌発売時点で同行の1年ものと6カ月ものに適用される金利は同水準である。 なお、気の早い話かもしれないが、深野さんは来年のボーナスに関しても考察している。 「日本企業の今期業績は増益基調だが、一部の好調組が牽引しているのが実情です。来年の春闘も強気で押し通せるかどうかは若干疑問で、賃金は上昇してもボーナスは増えないという決着は十分に考えられます」 その可能性も念頭に置きつつ、物価高に勝つ運用に励みたい。(金融ジャーナリスト・大西洋平) ※AERA 2024年12月16日号
大西洋平