空飛ぶ円盤を中学生たちが捕獲した「介良事件」…現地を訪れた遠藤周作は何を感じたのか
蔡さんらは制作にあたり、男性ら当事者に取材をするなど調査を重ねたという。この事件をどう見ているのか。「子どもたちは(円盤の存在を)信じている。信じているから紛れもない真実になる。大人はそんな童心を失っているかもしれないですね」と、蔡さんは分析する。 東京からわざわざ高知までやってきた遠藤。「UFOを捕獲するという日本でも希有な事件。好奇心旺盛な遠藤をきっと駆り立てたことでしょう」と、県ゆかりの作家や文学作品を扱う県立文学館の福冨陽子主任学芸員は話す。 事件についてどう思うか聞くと、福冨さんは少し間を空けた。「数人もの子どもたちが実際に見ているので確かに何かがあったんでしょう。いずれにせよ夢やロマンがある事件ですよ」。そのロマンが、遠藤をはじめとした人々を引きつけている。(石渕譲)