【星野リゾート代表に聞く】観光地の混みすぎ&高すぎ問題...解決のカギは『休みの分散』と『自然観光』!本当は教えたくない...「オススメ旅先」とは?
「旅行したい!」と思っても、観光地が混みすぎていたり、物価が高かったり…。そんな旅の悩みについて「日本・関西の観光ほんまに大丈夫なん?SP」と題して、星野リゾート代表・星野佳路代表に聞きました。 【写真で見る】外国人の宿泊者数が多い県はどこ? ◎星野佳路:星野リゾート代表 31歳で星野温泉(現・星野リゾート)社長に就任 「星のや」「OMO」など国内外5ブランド73施設を運営
オーバーツーリズムは京都を『進化』させる!?
まず、観光地の“混みすぎ”問題について。市バスや観光スポットの混雑常態化が深刻な場所と言えば京都です。こうした京都のオーバーツーリズム問題について星野代表は、一時的なもので、京都を観光地として進化させることにプラスに働いていると前向きな見解を述べています。 「オーバーツーリズム問題は全世界的に起こっている。解決するノウハウも相当ありますし、京都は自然にどんどん進化していって、世界の観光地としては先進的な場所になる可能性があると思いますね。」 外国人の宿泊者数を都道府県別に見ると、1位東京、2位大阪、3位京都、4位北海道、5位福岡です(観光庁「宿泊旅行統計調査」2023年の年間値)。驚くべきは、この5都道府県が全国の宿泊者数の74%を占めていること。関西2府4県では大阪・京都が宿泊者数の93%を占めています。
日本は『文化観光』が得意だけど『自然観光』は苦手…
では、混雑していない地方にも外国人観光客を分散させるためにはどうすればいいのか?『文化観光』と『自然観光』という2つの観光の柱のうち、星野代表は「自然観光に力を入れるべき」だと話します。 「実は日本には34の国立公園があり、世界自然遺産が5か所ありますが、まだまだ実は世界に知られていません。日本は文化観光が得意なわりに自然観光は苦手なんですよね。自然観光が得意な国はカナダやスイス。自然観光が強くなるともっと地方に分散し、京都や大阪のオーバーツーリズム問題にも相当な効き目があるんじゃないかと思います」 自然観光の課題は「現地での受け入れ方」だといいます。自然遺産の「保護」と「活用」を両立させるためには、現地に専門の人材が不可欠。また、観光客に楽しんでもらうためには良いガイドも必要であるため、自然観光を強化するには人材育成も重要なポイントだと話しました。 そのうえで、今注目のスポットがあるといいます。それは、スノースポーツが楽しめる鳥取県の『大山』。今、“日本は雪がすばらしい”と世界から注目されていて、北海道・長野・東北などを訪れるスキー客が急増しているということです。そうした中、西日本エリアの大山も少しずつ注目されてきているようです。